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2010年8月23日

2010年8月23日 (月)

臨界期:いとしきもの

2010/8/23

読みかじりの記:臨界期

利根川博士の「私の脳科学講義」の中に脳ネットワークの臨界期についての記事があった。脳の機能が固まる限界の時期があり、その時期以後になるとその機能を発現させることが困難になるらしい。

その例を自分の子供の発音の習得の臨界期が3才頃であったと述べられている。三つ子の魂百までということわざがあるが、この意味している事は非常に深いように思われる。生物のヒトとしての言語の習得は生まれ育った場所で通用すれば十分であり、それ以外の機能は捨ててしまった方が良いという実利性に基づいているようだ。臨界期以後の未開拓の機能の退化がそれを示しているようだ。しかし、多言語を駆使して世界を飛び回る時代になると、コトバを聞き分ける音感だけは幼少時から訓練した方がよいのかも知れない。3才以前にはそういう脳の可塑性が健在だから、基礎を作っておくだけでも後々が楽になる筈だ。そう考えると、小学校で英語教育云々という手法が科学的ではないように思える。正解は保育園頃に言語訓練をするという事になろうか。要するに教育・訓練に適期があり、その的期に訓練すれば能力が引き出せると言うことだろう。

自分で自分に関する記憶がどこまで遡ってたどれるかは、自分史という観点からも大変興味がある。生まれた直後からはっきりした自分の記憶があると言っている人もいるようだ。しかし、記憶に関しては真偽を判定する事が非常に困難である。個人の歴史は受精から始まる。しかし先代からはDNAも引き継いでいる。当然受精から生誕までのプロセスの歴史もどこかに残っているのであろう。この部分は設計図から家を完成させるまでに相当するだろう。この一年の間に生物としての基礎的な部分が完成する。しかし、この部分の記憶は暗黒世界のようだ。科学がこの氷山で言えば海面下の見えない部分を解明出来る時がくるのだろうか。本能、無意識、無我の境地等は科学的に見ると何処がどのように働いていることによって現れるのか。

ヒトは生誕後は母胎という安定した環境から変化の激しい環境に個として曝される事になる。環境変化という荒波を乗り切る事が環境への適応という事になる。この適応を合理的に支援するのが記憶システムのようにも感じる。自我が意識され、主張される時期も脳の配線の具合に関係しているのであろうか。

ところで、物事の始めの部分は誰しも関心があるのだが、終焉部分はどうなるのだろうか。老化現象も生物進化の一つに組み込まれているようだが、その部分が合理的に解明されると誰もが安心するのではないかと思う。

最近、臓器移植法の改定により脳死判断されたヒトの臓器が移植されたというニュースに接した。ヒトの脳以外の臓器には記憶がないから移植しても問題が無かろうという判断があるのだろうか。生命とは、死とは、記憶とは云々と未だ科学的に十分に解明されていない事がたくさんあるが、現実の方がどんどん進んでしまう。

本年、東京大学が「今回、老齢マウスを用いた研究によって、かなり高齢になっても、運動によって海馬の神経幹細胞が活性化し細胞増殖が増強することで、新生ニューロンの数が増加することが判明した。」と発表した(http://www.k.u-tokyo.ac.jp/news/20100112press.html)。(発表雑誌:米国科学誌「Hippocampus (ヒポカンパス)」2010年1月19日(火曜日) オンライン版公開)。脳細胞は加齢と共に死滅してゆくというのが通説であったが、例外もあるようだ。人生余り悲観しない方がよいのかもしれない。

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