2008/9/25
人間の信頼性
最近信頼性に関する問題が多発している。
物の信頼性というより人間の信頼性と言った方が良いかも知れない。
物の信頼性にはいろいろな規格やシステムが充実してきた。
信頼性に関しては品質を向上させる事と品質水準を維持することが重要である。
品質の向上は経済的利益に寄与するから取り組みやすい。
しかし、品質水準がある程度極限近くまで向上すると、
それ以上の改善には抜本的な対策が必要となったりしてコストが上昇する。
結局、品質の水準を維持しながらコストを下げることが主要課題になる。
工業製品にはJIS、農業製品にはJASという規格がある。
また、単なる製品の規格ではなく、設計、生産、販売等全ての
工程での品質を確保するためのISO9001等の規格の認証制度もある。
しかし、こういう品質活動を行うのは所詮、生身の人間だ。
何かのきっかけで前向きの姿勢が後ろ向きの姿勢に変わることもあろう。
人間の信頼性に関しては何かこころもとない。
医師、弁護士、公認会計士等等専門職の団体には倫理規範等が
あるようだが、その内容は余り知られていないようだ。
結局、何か不祥事が起こったときの処分の手段にとどまっているのではないか。
悪質な事件は然るべき法令で対処せざるを得ないためかもしれない。
そうなると法令に触れなければ何をやってもいいだろうという
風潮を生むのではないか。
小さな世界で顔と行動が一致する時代なら信用という
言葉も意味をもった。
しかし、現在は個々の人間の顔も行動もかすんでいる。
何をやっても分かるまい。
結果として綱紀もゆるんでしまうのではなかろうか。