2008/10/26
杉鉄砲
秋から冬にかけて杉の実が大きくなる。これを空気銃の弾に見立てて飛ばす杉鉄砲という遊
びがあった。筒は杉の実よりやや細いシノを利用する。杉の実を筒の中に送り込むヒゴは竹
を割り細い丸棒状にナイフで加工して作る。最初に杉の実を筒にヒゴで送り込む。
次ぎに、もう一度杉の実を筒にヒゴで送り込むと、筒の先に杉の実が詰まっているので中の
空気が圧縮され、ついに先端の杉の実がパッチと小さな音を立てて飛び出す。この遊びも、
鉄砲を作って弾が飛び出すまで色々調整したり、作り直したりするのが面白い。いざ、完成
するとそれで、撃ち合いのまねごとを少しやって終わりになってしまう。同じ原理で、モチの実
や新聞紙を水で練った物を弾として鉄砲遊びをした。水鉄砲も弾が固体から液体に代わった
だけで原理は同じであり、これは夏の遊びであった。今になって、昔の遊びを振り返ってみる
と、ほとんど身の回りの素材をつかっており、手作りの遊びが多かった。経済的にもおもちゃ
を買ってもらえるようなゆとりもあまりなかった。そういう意味で遊びも一種のDIYで物造りの
体験学習でもあったようだ。