2008/11/22
アイスキャンデー屋
昔の夏の風物詩と言えばアイスキャンデー屋を思い出す。冷たいものといえば井戸水に浸け
て冷やしたスイカとアイスキャンデー位であった。まだ、冷蔵庫が普及しない時代であった。
裏の細い道をアイスキャンデー屋がチリン、チリンと鈴を鳴らしてくる。アイスキャンデーは自
転車の荷台に積んだ箱の中に入っている。その脇に小旗が立っていたりする。通り過ぎない
うちにアイスキャンデー屋を呼び止めて垣根越しにやり取りをする。同じように、豆腐屋、納
豆屋もまわってきた。豆腐屋はププーとラッパを鳴らした。これがトーフーと聞こえるのだから
ラッパが豆腐屋の合図になったのもかしれない。納豆の方はナット、ナットーと肉声であた。
豆腐の場合は垣根越しにどんぶり等を差し出して入れてもらった。まれには金魚屋も来た。
こちらは、天秤で桶をかついで来たと思う。中身であるが、アイスキャンデーは砂糖水に色を
付けて凍らせたようなもので割り箸のような棒がついており、それを持ってペロ、ペロなめる。
納豆は木を薄く削った経木に包まれていた。豆腐は丸裸であった。今から見れば包装は必
要最小限で省資源が徹底していたようだ。むしろ、包装する資材も設備も無かったし、買う方
も安い方が良いのでそういう状態だったのだろう。このような商売の原点というような物売りも
時代の流れの中に消えていった。