ボウフラ:いとしきもの

2010/8/26

雑草句録:ボウフラ

■ボウフラよ湧けよあちこち水溜まり

俳人がボウフラを詠んだ区には優雅さや面白さを感じる。確かに、ボウフラの生態は面白い。子供の頃は水面に油をたらしてどうなるか遊んだこともあった。

しかし、蚊取り線香を付け、防虫ネットを被り、長袖シャツ、長ズボン姿で草むしりをしている身分にはそんなゆとりはない。来るなら来いと居直っている。そんな気持がないと毎年同じ事をしている自分に悲観してしまいそうだ。

蚊も雑草も夏にすべてをかけている。人間の方が少しましなようでもある。有り難くも、ボウフラが湧かないよう水が溜まる物を皆撤去したらとアドバイスを頂くがそういう余分な仕事も又大変である。

追記:

ぼうふらの漢字入力が大変:( 孑孑 ATOK変換不可でネットから拾ってきた)。

ついでに以下の二句に遭遇。

○孑孑 の浮沈見てをり無職かな    皆川白陀

○孑孑や神は不思議なものを作る   有馬朗人

前者は電子辞書に、後者はネットにあった句である。前の句はボウフラに人生を投影しているようだ。浮沈も人生の一こま。後の句はさすがに学者らしい。ぼうふらに神を見るのもまた不思議だ。

ところが、電子辞書にボウフラは一週間に4回脱皮するとあった。これが、ボウフラと蚊の時計だと思うと短い夏を必死で生きているようにも感じる。ドッグイヤー以上のモスキトーデーだ。蚊の一日は人間の一年にも匹敵しそうだ。