科学ニュースに独り言:女王蜂はRoyalactinが作るのは本当?

2011/4/27
昨日は午前は晴れ、午後はパラパラと雨。不安定な天気であった。昨日はチェルノブイリ原発事故から25年目の記念日。

「ロシア大統領が追悼行事 チェルノブイリ25年(山形新聞:url=http://yamagata-np.jp/feature/shinsai/index_pr.php?kate=World)」は「【キエフ共同】原子力産業史上最悪の旧ソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原発事故から25年となった26日、同国のヤヌコビッチ大統領とロシアのメドベージェフ大統領はチェルノブイリ原発近くの教会を訪問し、追悼行事を行った。」と報じた。

それに先立ちロシア大統領は、チェルノブイリ原発事故で活躍した勇士を表彰して、その時当時のソ連政府が原発事故を秘密にした事で被害が大きくなったと当時の政府の不手際を批判したようだ。その矛先は日本にも向けられていたと思う。チェルノブイリ原発事故25周年に関して、日本政府が何らかのメッセージやコメントを出したのかWEB検索したが、見あたらなかった。当局はそんなゆとりもなかったのか。そんな事を言ったら総反発を食らうだろうとか行わない理由は際限なくあるだろう。チェルノブイリ原発事故は未だ終わらず、数百万人の被災者がいまもその苦しみを味わっている。政府からチェルノブイリ原発事故25年に関して、何らかのメッセージが発信されていれば、同じ体験を共有でき日露の友好感情も自然に深まるのではないか。福島原発被災地の住民も放射能の恐怖をチェルノブイリ被災者と共有できるのではないか。北方領土もよこせよこせだけでは、課題は進展しない。自分たちが住み慣れた土地を去りがたいのはロシアや日本だけではなく人類共通の願望だ。そん事を考えていると、日本は当時のロシアと同じ轍を踏んでいるように感じてしまった。

昨日の天気

TAVE= 11.5
TMAX= 16.9
TMIN= 6.1
DIFF= 10.8
WMAX= 5.1
SUNS= 3.6
RAIN= 0.5

科学ニュースに独り言:女王蜂はRoyalactinが作るのは本当?

出典:
Royalactin induces queen differentiation in honeybees
Masaki Kamakura1
Journal name:
Nature
Year published:
(2011)
DOI:
doi:10.1038/nature10093
Received 02 June 2010 Accepted 05 April 2011 Published online 24 April 2011

ネイチャーの電子版に、女王バチを作る物質が発見されたという記事が掲載されたという新聞ニュースを見た。詳細記事の購読は有料なので、アブストラクト記事を読んでみた。メスの蜂にローヤルゼリーを食べさせると女王蜂になる事は一般に知られていると思う。

アブストラクト記事の主要部は以下の通り:「Here I show that a 57-kDa protein in royal jelly, previously designated as royalactin, induces the differentiation of honeybee larvae into queens. Royalactin increased body size and ovary development and shortened developmental time in honeybees. Surprisingly, it also showed similar effects in the fruitfly (Drosophila melanogaster). Mechanistic studies revealed that royalactin activated p70 S6 kinase, which was responsible for the increase of body size, increased the activity of mitogen-activated protein kinase, which was involved in the decreased developmental time, and increased the titre of juvenile hormone, an essential hormone for ovary development. 」

女王蜂は遺伝的に決められるのではなく、Royalactinという物質が作用すると普通のメス蜂の幼虫が女王蜂に分化するようだ。言い換えると、普通のメス蜂はRoyalactinを作用させると女王蜂に分化する遺伝的特性を既に持っているようだ。fruitfly (Drosophila melanogaster)でRoyalactinが作用すると同じような特性を示す実験からミツバチだけではなく他の昆虫にもRoyalactinが類似の作用をしているようだ。不思議なのは一つの群からなぜ多数の女王蜂が生まれないのかという点。ミツバチは果樹、野菜等の受粉にも不可欠だ。ミツバチが分蜂するには二匹以上の女王蜂が生まれた事を意味しているだろう。働き蜂は多数の女王蜂が生まれないようにRoyalactinの使い方を学習しているのか。学習効果が何万年も続くことは考えにくい。やはり、色々な遺伝子が総合的に小数の女王蜂しか作らないように規制しているのではないか。ミツバチも、自然界では生存できる数には上限があるだろう。最近、ミツバチの減少が話題になっている。今回の研究がミツバチの増加に役立つのだろうか。

追記:尚、上記NATUREのトップページに「Reactors, residents and risk」と東京電力福島第一原子力発電所の事故に関する記事があった。原子炉と住民のリスクに関する記事で、幾つかの原子炉が集中する例も挙げられている。これは日本以外、フランス、ロシア、カナダ等にもあるようだ。長い年月の間に原子炉に詳しい先輩技術者が退職して、本当に伝えるべき情報が伝わっていないリスクについても述べていた。表に出ないヒヤリハットという事故は仲間内でもなかなか話せない。そのような事情をパレートの法則(⇒「ハインリッヒの法則」)が述べているのだと思う。東京電力の現役技術者も先輩技術者の一言を思い出して検証してもらいたい所だ。予想も出来ない大事故は冗談紛れに話された程度だったかも知れないが。自分も凡ミスや不注意等で工程を止めたり、不良の発生で顧客に頭を下げたり、在職中は色々な経験をした。そんな経験を元に業務マニュアルを仕事の合間に作り、ISOの認証取得にも役だった事を思い出した。しかし、大抵のマニュアルは「出番無きマニュアル」で終わっているのではないか。JCOの臨界事故では、表マニュアルは飾りに過ぎず、現場は裏マニュアルで作業していたという驚くべき情報を読んだ記憶がある。東京電力やトヨタ自動車のがISOの認証取得をしていれば、経営者は監査時点でマニュアルを読み直して、監査に向き合う必要があるだろう。そうであれば、企業の社会的責任、危機管理等経営上の課題への対応結果が違っていたのではないかと思ってISOの重要性について記事を書いている。

追記2:事故については「ハインリッヒの法則」;『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/):url=http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%92%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87を参照。「ハインリッヒの法則 (ハインリッヒのほうそく、Heinrich's law) は、労働災害における経験則の一つである。1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するというもの。ハインリッヒの(災害)三角形(トライアングル)(定理)又は(傷害)四角錐(ピラミッド)とも呼ばれる。」とある。この記述を読むとINES評価の三角形の図を思い出す。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:花菖蒲

歌題=花菖蒲:
■うから等は 菖蒲の園に 集い来て 八十路の吾を 壽ぎくれぬ 99 矢島 加都
休耕田に作った菖蒲を人々にみてもらい、それが生き甲斐の一つにもなったと幸せな歌。