技術 回顧と展望:製品は死んでも技術の結晶である特許は最後に光る時があるのだろうか

2011/8/17
昨日は晴れ。また猛暑日。盆棚をたたんで墓参り。家の回りに咲いているギボウシの花等を供えた。日中は扇風機だけで昼寝。夕方になって活動再開。夜雷鳴。雨は極少ない。夜になると虫の音が聞こえている。

2011/8/16の天気

TAVE= 29.5
TMAX= 35.4
TMIN= 25.3
DIFF= 10.1
WMAX= 3.7
SUNS= 11.4
RAIN= 0

最高気温(℃) = 36.1  (15:30)

技術 回顧と展望:製品は死んでも技術の結晶である特許は最後に光る時があるのだろうか

日経電子版は、「グーグルのモトローラ買収に3つのWhy? 訴訟合戦、オープン性、端末開発… (ジャーナリスト 石川 温);url=http://www.nikkei.com/tech/personal/article/g=96958A9C93819499E3E4E2E3808DE3E4E2EAE0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;dg=1;p=9694E3EAE3E0E0E2E2EBE0E4E2E6(2011/8/16 20:30)」というタイトルで、「インターネット検索最大手の米グーグルが通信機器大手の米モトローラ・モビリティを125億ドル(約9600億円)で買収することを15日発表した。グーグルとしては過去最大規模の買収案件だ。モトローラの豊富な知的財産権を手にしてアップルなどからの訴訟合戦をどう勝ち抜こうとしているのか。これまで端末メーカーにスマートフォン向けプラットフォーム「Android(アンドロイド)」を提供してきたが、そのオープン性を今後も貫いていくのだろうか。また買収を通じて独自の端末開発や垂直統合型のビジネスモデルの構築に動くのだろうか――。
 今回の買収計画を巡る「3つのwhy?」を読み解くことで、新たなステップに踏み出したグーグルの次の戦略を占う。」と報じた。

この記事を読むと時代の流れを感じる。グーグルといえばソフト産業。モトローラと言えば製造業が中心のハード産業。ソフトがハードを飲み込んだ。グーグルが対抗しようとしているのがアップル。

マイコミジャーナルは、「米Appleが時価総額でエクソンモービルを抜いて世界トップ企業へ;url=http://journal.mycom.co.jp/news/2011/08/11/085/(2011/08/11)」というタイトルで、「米Appleの株式時価総額が8月10日(現地時間)に米Exxon Mobilを抜いてトップに踊り出て、同社が事実上世界最大の企業となったことが話題となっている。同日ニューヨーク市場の終値から算定された時価総額はApple (AAPL)が約3,372億ドル、Exxon Mobil (XOM)が約3,308億ドルとなり、64億ドルの差をつけて終値で初めて逆転した。現在世界の株式市場は経済先行き見通し不安における下げトレンドのただ中にあるが、それが結果としてAppleを躍進させる一助になったようだ。」と報じた。

アップルも日本の製造業と異なり、ハードよりソフトに重点を置いているように見える。日本も電子手帳とか携帯とか小型電子機器では相当先行していた筈だ。アップルの快進撃を指をくわえて悔しがっている。日本の自動車も米国では小型車として健闘してきた。小型化にも限度がある。人間の身体にあった使い勝手の良い小型化が今後の進むべき方向のようだ。その良さを消費者に理解させなければビジネスは成功しない。今回の「グーグルのモトローラ買収」には自分の技術者人生からも感慨深いものがある。

「モトローラ;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%A9;(最終更新 2011年8月16日 (火) 00:33)」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。の記事に「モトローラ (Motorola, Inc., NYSE:MOT) は、かつて存在したアメリカ合衆国の電子・通信機器メーカーである。 2011年1月4日をもって、二つの独立した公開会社であるモトローラ・モビリティ及びモトローラ・ソリューションズに分割された[1]。本社所在地はシカゴ近郊のイリノイ州シャインバーグであり、分割以降はモトローラ・ソリューションズが引き継いでいる。」、「半導体 [編集] 1999年8月4日、ディスクリート・標準アナログ・標準ロジックなどの半導体部門をオン・セミコンダクターとして分社化した。これは、イリジウムコミュニケーションズ倒産の損失をカバーするために分社化された。 2003年10月16日、組み込みシステム向けのチップを主力とする半導体部門をフリースケール・セミコンダクタとして分社化した。 以降、モトローラ社自身は半導体を製造していない。」とある。

モトローラも事業形態を刻々と変えている。現役時代に相当品として開発したTV用VIF集積回路のオリジナル品がモトローラのMC1352であった。勤務していた半導体事業部門も分社化されて、最終的には2011年にモトローラから分社化されたオン・セミコンダクターの傘下に入っている。企業の事業部門が分割と統合という大きな波の中にさまよっているのが現代の特徴かもしれない。

一方、知的所有権も企業が保有する資産であるが、幅広い事業分野を手がける場合は競合他社の知的所有権の問題が生じる。今回のグーグルによるモトローラの買収もモトローラが保有する知的所有権が目的の一つと上記日経電子版は見ているようだ。敵対的な競合の場合、特許という例外的な権利の独占権が戦略的な意味を持つ。共存共栄的な妥協が生まれればクロスライセンスというビジネスベースの特許の相互利用の交渉はいつでも可能だ。先ずはグーグルがアップル打倒・アップルの独走を許さないといった戦うという動きが出たとうことなのか。

特許が実際に利用されれば技術としても社会的な有用性を発揮できる。ところが、特許が単にビジネス上の戦いの鉾と盾のような使われ方でしか使われないとなるとその特許の発明者の心境は複雑なものとなるだろう。技術者としては自分が発明した特許は利用して貰いたい。願わくば多少に関わらず特許実施報酬を貰いたいというのが本音だろう。不毛の特許訴訟で本当に素晴らしい特許が光る事があるのか。今日では特許権の独占も時代遅れになっていないか。ビジネスベースの正当な利用を阻害させない事を保証する柔らかい独禁法のような規制をすれば、ビジネスは正しい方向で活性化するのではないか。