2011/11/19
昨日はAM曇りPM晴れ。雲はやや厚めであった。カキを収穫した。既に落葉が終わり、色付いた実だけになっている。今回は高所の部分を取るので、高枝切りを使った。ロープと滑車で刃を動かして枝を切る方式のものだ。枝が混んでいると操作がしにくいが、竹竿よりましだ。昔は、長い竹竿の先端を二つに裂いて、その間に細い枝をはさんで、ハサミ状の間にカキの枝を入れてねじり切った。カキの木は何本かあるが、その実はほとんど鳥が食べている。食べ始めると結構美味い。
2011/11/18の天気
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科学ニュースに独り言:アゲハチョウが産卵植物を見分けるメカニズム
夏は我が家のミカン苗によくアゲハチョウが産卵にくる。なぜ確実に産卵に適する樹木を見つける事ができるのかと気になっていた。数日前に上毛新聞にその記事が出ていたのを思い出して調べてみた。
毎日新聞は、「<アゲハチョウ>産卵植物選別の仕組みを解明;url=http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111116-00000001-mai-soci(毎日新聞 111月16日(水)1時0分配信)」というタイトルで、「アゲハチョウのメスが前足の「感覚毛」を使って、幼虫が食べられる植物を選別して産卵する仕組みを、JT生命誌研究館(大阪府高槻市)と九州大などの研究チームが解明した。害虫が農作物に産卵しないよう改良する方法を開発する手がかりにつながると期待される。15日付の英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」電子版で発表した。 アゲハチョウのうち例えばナミアゲハのメスは、ミカン科の植物の葉に産卵する。その際、「感覚毛」で幼虫が食べられる植物を特定するが、これまで未解明だった、こうした仕組みをつかさどる遺伝子を見つけた。 同館の尾崎克久研究員(分子生物学)によると、「感覚毛」の根元にある神経細胞では約1万種類もの遺伝子が働いている。このうち植物に含まれる成分を感じ取るとみられる遺伝子を特定。別の細胞で働かせてみたところ、ミカン科植物に含まれる酸味成分「シネフリン」と触れると、細胞内に変化が生じるのが見つかった。
今度はシネフリンを塗った人工葉を準備し、そこにナミアゲハを放したところ、約7割のメスが産卵。一方、この遺伝子の機能を失わせたメスは約2割しか産まなかった。こうした実験結果から、メスがこの遺伝子の働きでシネフリンを見分け、その情報が脳に伝わることで産卵を促すと結論づけた。
ナミアゲハ以外にも同様の手法で産卵したり、食べたりする植物を選別する昆虫は多く、こうした能力を担う遺伝子や反応する植物の成分もそれぞれ異なると見られている。尾崎研究員は「同じ方法で、他の昆虫でもこうした遺伝子を見付けていけば、遺伝子操作で農作物に産卵したり食べたりしないようにできるかもしれない」と話している。」と報じた。
上毛新聞記事では、この共同研究には大阪大学も含まれていたので、検索。NG。九州大学のサイトを検索。九州大学のサイトは、「アゲハチョウが植物を味で見分けて産卵する仕組みを解明;url=http://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/2011/2011_11_10.pdf()」というタイトルで、「本研究成果はNatureの姉妹紙のオンライン科学誌「Nature Communications」(11月15日付)に掲載されます。」と報じた。
そこで、更に検索するとurl=http://www.nature.com/ncomms/archive/category/article/index.htmlにその情報があった。記事はurl=http://www.nature.com/ncomms/journal/v2/n11/pdf/ncomms1548.pdf。だが難解。
JT生命誌研究館:プレスリリースurl=http://www.brh.co.jp/oshirase/pdf/pressrelease20111116.pdf。この記事は分かりやすい。研究を主導したのはここのメンバーのようだ。
この記事によると研究のポイントは「○全ゲノムが解読されていない昆虫から、世界で初めて味覚受容体遺伝子を発見。○培養昆虫細胞で発現させることにより、受容体が認識する化合物を特定。
○味覚受容体がチョウの産卵行動の誘発に関わっていることを世界で初めて解明。」である。
ここで疑問になったのは、シネフリンが産卵刺激物質で、ミカン類に特異的に存在しているようだ。しかし、観察していると産卵するのはミカンの葉が多いのだが、ミカンの葉とシネフリンの関係がピント来なかった。アゲハチョウにはシネフリンが有利な物質だろうが、ミカン類の樹種はなぜシネフリンが多いのか。要するにミカン樹はアゲハチョウを引き寄せてなにかメリットがあるのかという点。
「シネフリン;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%8D%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%B3;(最終更新 2010年7月6日 (火) 12:17 )」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。の記事に「シネフリン(Synephrine)とはフェネチルアミン誘導体。 ミカン科ウンシュウミカン、ナツミカン、ダイダイ、ゴシュユの果実に含まれている酸味成分。 気管支を拡張させ、のどの風邪にも効果があるとも言われる。脂肪分解酵素のリパーゼを活性化するとも言われる。脂肪の代謝を促進するとも言われる。食欲を抑える働きもあるとも言われる。」とある。この項目は書きかけ項目であった。
ミカン類似品は、葉の中にシネフリンという酸味成分を含んでいるので、他の樹種より害虫が付きにくいように感じる。そうなると、アゲハチョウは他の昆虫が苦手にしている部分を逆手にとって、それを種族繁栄の産卵に利用しているようにも見える。進化の段階から見ると、アゲハチョウは他の昆虫よりより進化した段階で出てきたのではないか。そのため、ミカン類はいまだ、アゲハ対策が万全ではないのだろう。それならば、ミカン類も進化の点では後発組なのかもしれない。植物側から進化に迫るのも面白そうだ。