老人の寝言:惨めの国の惨めな現実に国民はかじかんで耐えている

2011/12/19
昨日は晴れ。朝方の気温は-1.5℃台と冷え込んだ。用事外出。用事の前に「平成23年度「史跡上野国新田郡庁跡現地説明会」」の会場へ。時間がミッスマッチで、資料を貰い、道路から発掘現場を見ただけで帰る。太田市HPに「新田郡衙の発掘調査では、 郡衙の東限を区画する溝と 正倉北群(郡衙の倉庫)と考えられる建物跡が10棟以上、新たに確認されました。これらの成果を下記の日時で公開しますので、是非ともご参加下さい。」とある。戻って三軒屋遺跡へ向かう。現地説明会もあった筈だが人気なし。新しく掘った気配がある道路北側の田圃を一人で見学。ここが正倉の北限のようだ。南北に深く掘ってある。東西の溝を検出したらしい。

2011/12/18の天気

TAVE= 4.0
TMAX= 10.5
TMIN= -1.5
DIFF= 12
WMAX= 5.5
SUNS= 8
RAIN= 0

最低気温(℃)  -2.4  06:57
最高気温(℃)  10.9  13:38

老人の寝言:惨めの国の惨めな現実に国民はかじかんで耐えている

財団法人 日本漢字能力検定協会が選定した「今年の漢字」は「絆」との事だ。漢字をビジネス?にまで高めて、集めた金の処分で問題になった事を思い出した。ともかく「今年の漢字」はその一年を振り返る参考にはなるだろう。二位以下は次の漢字が続く:2位「災」、3位「震」、4位「波」、5位「助」、6位「復」、7位「協」、8位「支」、9位「命」、10位「力」。歴代の「今年の漢字」を調べると以下の通りであった。1995年 :震、1996年 :食、1997年 :倒、1998年 :毒、1999年 :末、2000年 :金、2001年 :戦、2002年  帰、2003年 :虎、2004年 :災、2005年 :愛、2006年 :命、2007年 :偽、2008年 :変、2009年 :新、2010年 :暑。

所で、「絆」の漢字のは「ひもをぐるぐるまいてからめる」事を意味するらしい。「絆きずな」という言葉の意味は、動物等が逃げないようにしばっておく綱が原義。それから、断つに忍びない恩愛。離れがたい情実という意味が派生したようだ。「今年の漢字」に「絆」が選ばれた理由は、動物等を束縛する物理的な綱というより、断つに断てない人間・人としての心理的な、見えない引力という意味が深いのだろう。仏教には四苦八苦と人生の苦の側面を捉えている。生老病死。今年はまさに生老病死も際立った年であった。更に、八苦の中に哀別離苦という苦がある。親、夫婦、兄弟姉妹、妻子という身近な人達と死別したり、生き別れしたりするという心の苦しみを意味するであろう。今年はまた、哀別離苦という苦も際立った年ではないか。「絆」とは「哀別離苦」という去って行くものを何とか引き留めようとする気持を表しているようにも見えるのだ。

自分なりに今年の漢字一文字キーワードを考えた見た。「惨」である。漢字「惨」の語義は心の中へ深くしみこんでつらい思いをあたえることだそうだ。東北関東大震災然り、政界財界然り、増税然り、巨悪を取り締まる検察界然り、社会面を賑わした殺人事件然り、東北関東大震災を見越した買い占め然り。検察の事件捏造ニュースを聞くと世は末だと思った人も少なからずあったのではないか。日本はどうしてこんなに惨めな国になってしまったのか。他人に親切、思いやり、やさしさ等々と耳当たりの良い言葉は絶えないが、現実はその裏返しになっている。自分中心、自分を含む利益集団中心と内向き志向がが視野を遮ってしまっているのではないか。本音と建て前の使い分けもその傾向を助長しているだろう。ともかく、世の中が、政治が、行政が信頼を失いつつあるときには、国民はかじかんで身を丸めてその災難が過ぎ去るのを待つ以外にない。「絆」の中に、「惨」さを緩和したいという切なる願いを見ざるを得ない年末ではある。