技術 回顧と展望:意外なところで多用されているモーターを動かす物はなにか

2012年7月31日火曜日
昨日は晴れ。やや雲が厚かったが連日の猛暑日。最高気温(℃) 35.5 14:48 。朝飯前仕事で灌水と草むしり。先日のお祭りのデジカメデータをパソコンに取込。昨年導入したXPパソコンが落雷で故障中で、予備機になっていたC1GのMEパソコンが現役復帰。室温が30℃以上になるとFANが回転初めて騒音が気になる。でも、律儀に設定した動作温度でFANが回転を始めるのはさすがだ。デジカメデータはSDカードのデータを切り取り、パソコン側のUSBメモリーに張り付けている。この操作、手抜きでデータ保護上は問題があると知りつつ行っていた。コピペでコピーを確認してから消去を別途行うのが正解だ。

2012年7月30日の天気

TAVE= 30.5
TMAX= 34.9 最高気温(℃) 35.5 14:48 
TMIN= 26.8 最低気温(℃) 26.7 05:23 
DIFF= 8.1
WMAX= 4.4 最大瞬間風速(m/s)(風向(16方位)) 8.4(東南東) 17:01 
SUNS= 6
RAIN= 0

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技術 回顧と展望:意外なところで多用されているモーターを動かす物はなにか

ところが、ついにME機の持病が出てきて、切り取ったところで、フリーズしてしまった。その結果、お祭りの後半のデータが一瞬に消えた。いよいよME機も引退の時期か。XP二号機のチューニングを始めているが、この暑さで数分動作してから落ちてしまった。再起動すると、更に短い時間で落ちた。取りあえず、ME機で定格の動作条件を調べた。温度と湿度の範囲は「10 - 35℃、20 - 80%(ただし結露しないこと)」とあった。この規格は、エアコンが効いている部屋に鎮座している大型コンピュータと同じではないかと感じた。放熱を疑ったところ、何と金属色のケースだったが、鉄部に紙を固定する磁石が張り付かない。プラスティックケースのようだ。これじゃあ放熱が悪いと独断で決めつけた。ところでケースFANは廻っているか?紙片をFAN周辺につっこんだが動いている気配がない。ケースFANを交換しなければと暗雲が頭を横切る。もしかしたらと、モーターカバーの外側からダンゴの串でFANをこづいてみた。カラカラ音を立ててFANが回り始めた。モーターは生きている。更にFANをこづいて、FANの羽が、カバーに接触しないように位置を修正したら、何もないようにFANは回転を続けている。

現役時代、汎用集積回路のグループにモーター関係のIC開発を担当する部署があった。自分もその隣で電源関係のIC開発を担当していた。現代は、モーター一つとっても、単独で動かすよりモータードライバーという集積回路を使用している例が多い。そのモータードライバーも時代の流れを反映してきた。自動車時代になりワイパー用の需要が拡大した。OA時代に入るとOA器機用、パソコン時代に入るとパソコンCPU FANやケースFANの需要が高まった。

集積回路はモーターの回転制御や発熱時の保護等をモーター単独で出来ない機能を受け持っている。その、技術者達が苦心していたのが、モーターの起動回路だった。電源を入れた時に、モーターが起動しない場合がある。静止しているモーターは、ニュートンの運動法則からずっと静止しようとする。モーターを回転させるには、通電して発生する磁界と電界のタイミングが合わなければならない。力の向きを回転力する方向に合わせて、お互い引き合って回転力が生じないようになっていると、モーターは起動しなくなるのだ。いわば、小さな力が、正しく加わってモーターが回り出すのだ。それはコマ回しと同じと例えられるだろう。その起動時に発生する、小さな力を妨害すれば、モーターは回転しない。

今回のトラブルもそんな例だったかもしれない。実は、起動回路は電源用のICにも付属する場合が多い。電源用のICも一種の自動制御回路だ。負荷の状況により、電源をつないでも電圧が出なくなる場合がある。そんな症状が、電気製品で起こると大変な事になる。試作品を調べて危機一髪でその問題点を発見した体験もある。

振り返ると、福島第一原子力発電所の原発事故も電源がその根幹にある。巨大な電力を発生する原子力発電機も、運転を立ち上げるために小さな電源が不可欠である。パソコンも全く同様。パソコンを起動するためには先ずBIOSをROMから読み込まなければ起動の最初のステップに入れない。これを陰で支えているのが小さなリチウムコイン電池だ。エネルギー的に見ると、起動を担当する部分のエネルギーは極小さい。例えれば子亀だ。巨大なシステムも小さな子亀の上に大きな親亀が乗っている構図になる。親亀の上に子亀なら、安定に見えるが、子亀の上に親亀という現代技術の構図はいかにも不安定に感じるのである。当然、子亀がこければ親亀もこけてしまうのだ。