東北の海よ:がんばれ! ふくしま:もうじきあれから三年半

2014年9月8日(月)
昨日は早朝雨後一時晴れ。最高気温(℃) 24.3 15:29。最低気温(℃) 18.6 09:10。ざっそう句:原発や 阿鼻叫喚の 三年半。宅内閑居。朝六時過ぎキジ鳩の鳴き声が聞こえる。鳴き止むと、風切り音が聞こえた。鳥類は腕を翼に変えたのか。進化は常識では考えられない発明をするようだ。地球上の否宇宙の全ての物が原子という極微の粒子から構成されていると分かったのも進化の歴史から見ればつい最近の事だ。その原子が分裂することが1938年に発見されたとの事だ。分裂するときに巨大なエネルギーが出ることも分かり、それが直ぐに原子爆弾に使われた。広島と長崎に原子爆弾が投下されたのが1945年。核分裂の発見からわずか7年後だ。フェルミにより世界発の原子炉が作られたのが1942年。1939年ドイツがポーランド侵入し第二次世界大戦が始まった。原子爆弾と原子炉は双子の兄弟だ。政府は兵器や原発の輸出を進めようとしている。死の商人になりたいのか。

2014年9月7日の天気(AMEDAS)

TAVE= 21.3 NO DATA
TMAX= 23.6 最高気温(℃) 24.3 15:29
TMIN= 18.7 最低気温(℃) 18.6 09:10
DIFF= 4.9
WMAX= 4.5 最大瞬間風速(m/s)(風向(16方位)) 8.2(西北西) 07:57
SUNS= 1.5 NO DATA
RAIN= 6.5

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東北の海よ:がんばれ! ふくしま:もうじきあれから三年半

東北地方太平洋沖地震に起因する地震、津波と福島原発事故による歴史的な大災害を何と呼ぶべきか今も迷う。自分なりには東北三大災害という言葉を使った。当時の事を思い出すと、地震の呼び方も変わった。「身辺雑記:東北地方太平洋沖地震から東北・関東超巨大地震へ(http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2011/03/14/)。(2011年3月14日 (月))」

閣議で呼称が「東日本大震災」に統一される前には、色々な呼称が使われていたようだ。以下にその例を下記サイトからの引用で示す(http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1357991118)。 *************************
「東日本大震災」…読売を除く多くの全国紙,共同通信加盟の多くの地方紙,多くの民放
「東北関東大震災」…NHK,日本赤十字社,中央共同募金会
「東日本巨大地震」…読売新聞」
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WIKIPEDIA「東日本大震災。(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%A4%A7%E9%9C%87%E7%81%BD)」

警察庁2014/08/08発表の東日本大震災被害データによれば死者:15889人、行方不明者:2609人、建物:全壊:127390戸、半壊:273048戸である。

このデータは地震、津波による被害が多数と思われるが、福島原発事故による被害のまとまった統計資料があるのか分からない。国、地方自治体は早急に統計資料をまとめるべきではないか。

NHKは、「震災3年 原発事故の損害額11兆円超に。;http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/20140311/1516_songaigaku.html。(2014年3月11日15時16分))」というタイトルで、
「東京電力福島第一原発事故による除染や賠償、廃炉などの損害額の最新の見通しを足し合わせると、11兆円を超えることが分かりました。 2年3か月前に政府の委員会が発表した金額の2倍近くに上っており、事故から3年、原発事故の被害額は膨らみ続けています。  福島第一原発事故による損害額については、政府の委員会が事故があった年の12月に、原発周辺の住民などに対する賠償金や、原子炉の冷却費用などを基に5兆8000億円という金額を公表しました。 この数字は、その時点で見通せる被害から割り出した最も少ない金額とされましたが、その後、被害の全体像が分かるような数字は出されていません。 そこで、除染や賠償、原発の廃炉費用など、原発事故に伴う損害について、政府や東京電力が公表した最新のデータを足し合わせ、現時点で判明している被害の全体像を調べました。  それによりますと、損害額の総額は、11兆1600億円余りで、2年3か月前の1.9倍余りとなっています。  内訳は、▽除染費用が2兆5000億円、▽除染で出た廃棄物を貯蔵する中間貯蔵施設の整備費用が1兆1000億円、▽東京電力が行う廃炉と汚染水対策の費用が2兆円、さらに、▽賠償についても、去年12月に新たな指針がまとまり、それに基づく東京電力の見通しでは5兆円を超えるとしています。 このほかにも、原発事故が起きたことで措置された国や県の予算として、▽福島県向けに設けられた原発の立地補助金が2000億円、▽復興加速化交付金が1600億円、▽県民健康管理調査の費用などが960億円、▽災害公営住宅の建設費が730億円、▽原子力災害復興基金が400億円となっています。  しかし、これらの11兆円の中には、除染で出た土の最終処分の費用や、事故対応のためにかかった公務員の人件費などは含まれておらず、40年続くとされる廃炉費用や、住民などに対する賠償も増えることは確実で、事故から3年、原発事故の損害額は、膨らみ続けています。 一方、原発事故の被害は人的被害の面でも増えています。 福島県によりますと、今月7日現在、福島県内で津波と地震の直接の影響によって死亡した人は1603人、これに対して、避難の長期化に伴って体調を崩すなどして死亡し、「震災関連死」に認定された人は1671人と、「直接死」より上回っています。 福島県の「震災関連死」の人数は宮城と岩手の合計よりも多く、このことは、震災の要因以外に、原発事故によって多くの人がふるさとを追われ、見知らぬ土地で先行きの見えない避難生活を送るという、福島県特有の状況も大きく影響しているとみられます。」と報じている。

上記ニュースにおける損害額は、NHKの独自推計と思われるが、福島原発事故の損害額がいかに巨大であるかを示しているだろう。そうして、何よりも日本の未来を占う上で心配なのは、この巨大な損害額が、ブラックホールのようにどこかに吸い込まれて消えてしまい、生産的な資金として生かされない事ではないか。今後、国家予算が原発に向かう比率が増大し続けて、日本の国力もじり貧になるのではないか。国家も国民も東京電力が惹起したメガ災害の尻ぬぐいだけさせられて、疲弊してしまうのではないか。同じような事故が再発してもしなくて、廃炉や使用済み核燃料の処理等々の原発の尻ぬぐい資金を国民に負担させるようでは国家も最終的には破綻するのではないか。もっと心配なのは、心理的な退廃ムードが高まり国民の生きる意欲を喪失させるのではないか。

福島原発事故が報じられた頃は、いかに放射性物質の拡散防止を行うかで、その閉じ込め方として、石棺方式と水棺方式が論じられていた。現在、事故後3年半にもなるが、原子炉の状況が正確に説明されていない。現実は、原子炉が石棺も水棺も不可能な状態になっており、例えれば、破壊して水漏れを起こしている原子炉に水を掛け流しして冷却をしているだけの状況のままのようだ。底が抜けた風呂桶に水を注いでいる状況ではないか。原子炉自体が汚染水製造器になっている。言い換えれば、原子炉を密閉し、地下水を完全に遮断できなければ石棺も水棺も不可能ではないか。

最近、老朽化した原発の廃炉に関するニュースが流れている。Googleでキーワード「廃炉 老朽」を検索(https://www.google.co.jp/?gfe_rd=cr&ei=#q=%E5%BB%83%E7%82%89%E3%80%80%E8%80%81%E6%9C%BD)。福島原発事故原因で未だに、秘匿されている部分が老朽化である。福島原発事故発生当時は、格納容器を含めて何重もの安全対策が成されているので、原子炉の健全性は保たれているという宣伝がまかり通っていた。そうして、その後の放射性物質漏は、津波による電源喪失が原因であるという説が闊歩している。こういう説で目先を誤魔化せれば、少ない対策費用で原発を最後までこき使う事が可能になるのは想像に難くない。

福島原発事故当時、津波到来以前に空間放射能濃度が上がったという情報が事故直後に流れたが、その後この情報は意図的に隠蔽されているように見える。東京電力は福島原発は地震の揺れには耐えたと主張しているが、津波到来以前に空間放射能濃度が上がったという情報が正しければ、地震の揺れで原子炉や配管に亀裂や損傷が生じ、その亀裂や損傷から放射性物質が拡散したという推定が高度に成立するだろう。福島第一原子力発電所一号機は、1971年3月26日に運転開始をしており、事故時点でほぼ40年稼働した事になるだろう。原発の耐用年数を具体的に決めるのは困難だろうが、強力な放射線を浴びた原発構造材が劣化する事実は否定できないだろう。特に、圧力容器や格納容器等は交換が不可能だろうから、一番長く一番強烈なストレスを受けた部分の脆弱化が進むのも否定できないだろう。これが、真実なら、長時間放射線を浴びた原子炉はやがていつかは地震の震動ストレスで破損が生じる事も否定できないだろう。このような老朽化による劣化はすべての原発に例外はないという点で重要だ。

ここで、原発運用上で大きな問題が隠れているのが分かる。福島原発事故を受けて、日本の各原発は津波対策と電源対策を実施したと思う。なぜなら、ほとんどの原発の立地条件が、冷却用に海水を使うため海岸沿いに立地していると思われるのだ。もし、津波対策と電源対策だけで安全性が保てるなら何の心配もないかもしれない。当然それはハード面の説明に過ぎない。ソフト面の対策が十分働かなければ、何事も絵に描いた餅になってしまうだろう。

しかし、どんな原発も老朽化して、壊れやすくなるとなると話は別だ。津波対策と電源対策を十分行って、事故は起きないと説明して、万一、津波も無く、直下地震だけで原発事故を起こしたらもはや、日本の原発は完全に信用を失ってしまうだろう。そういう視点で、当局が「老朽化した原発の廃炉」を推進している理由を考えると、原発事故は津波や電源喪失が無くても起こりうる事が十分理解できるのではないか。当局は、原発を再稼働させる以上重大な原発事故が発生した場合、それを正当化出来る根拠を失うであろう。その布石が老朽化した原発の廃炉ではないか。

テロや戦争を頭で想定しシミュレーションした場合、ミサイルや航空機を使って原発を破壊する事は不可能な事象ではないだろう。当局が、老朽化した原発を廃炉にさせるというニュースに接して、津波や電源喪失以外に、直下型地震でも原発事故が起こりうる事があると推測しても大きな誤りはないのではないか。もしかすると、福島原発事故の廃炉が進む中で、格納容器や圧力容器等に地震の震動で生じた破損が発見されるかもしれない。すでに発見されているのかも知れない。

当局は、今まで原発の老朽化を積極的に認めようとしなかったようだ。修理をすれば何時までも新品だというような振りをしているかのようにふるまったようだ。それは本当に正しいのか。長期間使用すれば、原発と言えども人間の寿命と同じようにいつかは寿命に達するとするのが自然の原理ではないか。エントロピーの増大法則からもそう言えるのではないか。

尚、WEB情報によると、「老朽化する原発──特に圧力容器の照射脆化について ……井野博満 (http://www.iwanami.co.jp/kagaku/KaMo201107.html)」に更に詳しい関連記事があるようだ。ステンレス等の応力腐食割れや中性子照射脆化等の説明もある。原子物理的な金属物性理論の最近の進歩により明らかになってきた事もあるようだ。当局の老朽化した原発の廃炉化も科学の進歩により背中を押されているように感じる。

最近廃炉を検討していると報道された原発には、上記科学2011年の記事の指摘と合致している原発もあり、津波や電源喪失とは別要因で重大事故を引き起こす可能性を示しているのだろう。原発には、設計寿命があり、従来は設計寿命をメンテナンスで延長しようといういう風潮が支配的だったが、無理な延長の危険性が認識されてきたのではないか。

ともかく、津波対策とバックアップ電源喪失対策だけでは、原発の重大事故は防げないという段階に来たのだろう。従って、原発の老朽化で起こった重大事故に関しては、もう嘘をついて誤魔化すわけには行かなくなっているのが現在の状況ではないか。廃炉になっていない原発は稼働すればしただけ老朽化が進むのだ。その老朽化の行き着く先は楽観できない。何という皮肉か。

地震や津波が無くても、長期の原発運用を行えば、ある日突然金属疲労による重大な原発事故が起こる可能性がすべての原発にはあると考えられる。当然、金属疲労だけで無く、戦争やテロでも原発が標的になれば巨大な災害が勃発してしまうのだ。それは、日本だけが原爆で体験している。いわば、原発は見方に寄れば諸悪の根源とも考える事ができるだろう。

福島原発事故に関しては放射能汚染水対策も予断を許さない。国民が忘れた頃、薄めて海に流すのではないかと危惧している。原爆被爆国の日本があいまいな態度で原発の事後処理をすると世界の信頼を失うと思う。そうなると、日本の核廃絶という理想も嘘にならないか。

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