身体で覚える

2008/9/20

身体で覚える

年甲斐もなく、うん十の手習いで農業の勉強をさせてもらっている。

野菜コースで種まきから収穫まで初心に返っての勉強だ。

へっぴり腰で鍬を振っていると、先生は、土をかける時は

こうした方が良いと教えてくれた。

自分は土を乗せた鍬を力ずくでぐいっと自分の方に引いていた。

先生は、土を乗せた鍬を前方に軽く押し出してごらんと言われた。

土はそのままストンと真っ直ぐに落下した。

何~んだ、ニュートンのリンゴの落下の法則じゃんと

頭で理解しても身につかない。

仕事は身体で覚えることに意味があるのだ。

余分な力で土をかき散らす必要は無いという教えであった。

確かに手前に引っ張ると土も飛び散るし足下も汚れる。

農作業は最小の力で必要なことのみを行うのが原則だ。

人力など知れたものだから。

同じ作業でも次の作業を考えて手順を整えるのが次の段階。

かくて、翌日の仕事、翌週の仕事、翌月の仕事、翌年の仕事と際限がない。

理屈では先手必勝。

現実は後手、後手、後手。

後手後手の夏草かきで汗をかき    夢野省力

基本がしかり身につけば、仕事も順調にまわりだすのではないか。