2008/9/11
鉱石ラジオ
空中を伝わってきた電波をとらえて電気もないのにラジオの音が聞こえた。
少年にとっては大きな感動であり、それが人生の進路を左右する。
人により、その感動が鉱石ラジオであったり、昆虫であったり、
ロボットであったり様々である。
自分の場合はそれがたまたま鉱石ラジオであったようだ。
小学校の理科の学習の時、担任の先生がそれを見せてくれた。
不思議だ。どうしても理解できない。欲しいナーと思った。
ある時、病気で寝込むことになった。
父は何か欲しい物はないかと言った。
しばらくして、鉱石ラジオと答えた。
食べ物に比べて何倍も高価だし、どこに売っているかも分からない。
家の経済を考えると言い出すのに気が引けたのだ。
当時の知識で自分もどこで売っているかよく分からなかったが
BB無線なら売っているかもしれないと父に伝えた。
父はその店を探し買ってきてくれた。
キットという便利なものはなく、コイル、バリコン、検波器、イヤホン、
抵抗、コンデンサーといった部品がバラであった。
モスクワ放送、北京放送等の海外の電波も良く受かった。
それで海外放送にも関心が高まった。
それが自宅の中波ラジオを短波ラジオに改造する動機になった。