魚の手つかみ

2008/10/13

魚の手つかみ

ある結婚式で来賓のあいさつがあり、魚の手つかみのたとえ話をしていた。要は魚の手つか

みをするとき、手の温度と魚の温度が違っていてはうまく行かない。夫婦間の微妙な温度差

を克服することの大切さを気付かせてくれた。自分より年輩の方なので魚の手つかみにも親

しんだのであろう。こういう、話が出きる人は魚の手つかみからも人生の知恵を修得していた

のだなと感心させられた。

自分も幼少時代は魚の手つかみが好きで良く小川に出かけた。誰に教えられたか思い出せ

ないが、魚の手つかみは魚の動きが緩慢になる真冬にするのである。

母はそんなに魚とりが好きかいと言い心配してくれた。

裸足でズボンとシャツをまくり上げて川の中に入り、魚が潜んでいそうな物陰にそっと両手を

入れてつかむのである。鮒などが獲れた記憶がある。しばらく水に入っていると意外に川の

水の冷たさは感じなくなる。しかし、魚と自分の手の温度差まで思い至ることは無かった。

魚の手つかみのおもしろさは、ここを狙えば魚がいる、それをつかむには手をこう回して

云々と自分の思うとおりにならない獲物をとる技術とスリル感にあったようだ。

それこそ、とり逃がした魚は大きかったのであった。遊びが面白く病みつきになると寒さなど

忘れてしまう。