2008/10/12
ラジオ放送80年
NHKラジオを聞いていると80ちゃん号が登場する。NHKラジオの開局80年を記念して作ら
れた中継車らしい。日本で最初にラジオ放送が行われたのが1925 ( 大正14 ) 年3月で当日
の受信契約数は約3,500であったとの事。今年でラジオ放送開始83年になるわけだ。
この間のあらゆる面の変化は著しい。ラジオ受信機も、真空管から、トランジスター、ICへと
変化してきた。しかし、確実に変化していないものがある。それは音声を電波に乗せる方式
である。それは鉄道で言えば軌道の規格のようなもので、この規格も一度決めてしまうと簡
単に変更できない。AMラジオとは音声の大きさを電波の強さ(振幅)に変換する放送方式で
ある。
音声という世界と電波という世界は別世界であるがその大きさを対応させる事で音声のもつ
限界を飛躍的に拡大できた技術がAM変調技術である。同じ情報でも媒体を乗り換えること
でその限界を乗り越える事ができる。電波から音を取り出す装置がラジオ受信機ということ
になる。AM復調技術である。基本的には変復調には非線形信号処理を伴うが、技術の根
幹にアナログ原理があり、直感的で理解しやすく、技術的にも容易に実現できるという特徴を
もつ。それがAMラジオ放送が80年以上永続してきた技術的な背景であろう。当然に社会の
インフラ構造としての役割がそれを要請していると言えるだろう。