2008/9/5
アナログTV放送の中止
2011年7月24日にアナログTV放送からディジタルTV放送に移行するらしい。
既に多くの問題が指摘されている。
最大の問題は各世帯に数台あるといわれるアナログ受像器の処置であろう。
日本全国では1億台を下らないだろう。
一台数万円の価値があるとすると総額で数兆円の価値がアナログ受像器にある筈だ。
環境の時代といわれる今日、これをいきなり粗大ゴミにする事は許されないだろう。
白黒TVからカラーTVに移行するときには巧妙な方式がとられた。
白黒信号を運ぶ列車の上にカラー信号を載せるコンテナを積むような方式を採用したのだ。
これをNTSC方式のカラーTVと言い、現在のアナログTV放送である。
即ち、政府(米国)は白黒TVとカラーTVの両立生を確保するための方式の開発に、当時可
能であった最大限の技術を投入したのである。
国(米国)がこのような目標を掲げたことにより、白黒TVしか持たない人でもカラーTVを白黒
で見られるようなったのである。
社会的には、普及した白黒TVという社会財の延命・有効活用を可能にした点と白黒TVの保
有者に余分な経済的負担を強いないという点、経済的に余裕のある人にはカラーTVへの移
行を同時に可能にした点に意義あった。
TVという情報媒体は電波の性質により即時に隈無く情報を届けるという機能がある。
これは情報化社会にあっては基本的人権・知る権利に匹敵する国民の権利であろう。
この権利をディジタルTVを持つ人しか享受出来なくなるのでは問題であろう。
現在のアナログTVの機能・性能で十分満足している人も多いだろう。
国民が信頼してきたシステムを、代替えシステムを用意せずにいきなり変更されては
納得ができまい。
鉄道システムでは在来線を撤廃して新幹線一本にするようなものであろう。
これが、国民の行動(手足)の自由に関係するのは自明である。
当然、在来線を廃止するのならば代替え手段であるバス路線を確保する位の処置は
常識であろう。
TV(目、耳)についても同様であろう。