2009/2/26
小川の洗い場
昔話では、おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯にという枕詞がある。昔の村
の生活そのものであり、聞く者にはそのイメージがすぐに浮かんできた事であろう。現在の子
供達はこの枕詞にどのようなイメージを持つのであろうか。炊事洗濯が家電の出現で一変し
た。我々団塊の世代がその切り替わる時代の証人であった筈だ。便利さの代償にCO2を排
出していた訳である。幼少時には炊事の燃料には竹木等を使用した。洗濯はタライと洗濯板
を持って小川に行った。当地の小川には洗濯作業がやりやすいようにコンクリートで洗濯場
が設けられていた。数人が作業をできる広さがあった。女性達はそこで井戸端会議に花をさ
かせていたのかもしれない。耕地整理により小川は三面コンクリートの直線の水路に改修さ
れた。更に、洗濯場らしい施設も別な所に作られている。しかし、そこで洗濯風景を見たこと
は無い。最早、川で洗濯するという時代は完全に過ぎ去った様だ。三面コンクリートなので川
に入るのは難しい。この洗濯場からは川に容易に入れる。子供達がこの川で遊ぶような時
代がまた来ないとも限らない。