飛び上がって頭を強打

2009/3/17

飛び上がって頭を強打

危険は一瞬の意識のすき間に襲ってくる。常識的に分かっており、何となく注意している状態

でも危険は現実化する。カラーテレビの回路を検討する場合はケースを開いて内部の基板

にプローブをあてる必要がある。一応、ブラウン管を使用しているので高圧回路があるので

感電に注意することがその道の技術者には常識となっている。棚の下にカラーテレビを置い

て、頭を下げて回路をいじり始めた。その瞬間に高圧部に身体が触れ、飛び上がった。その

拍子に上頭部を棚に力一杯ぶつけてしまった。幸い狭い空間の中であったので力は余り入

らなかったので怪我は無かった。ともかく高圧の感電と頭部の打撃を一瞬の内に味わった恐

怖は今でも忘れられない。時と場合により無事故では済まなかった出来事であった。失敗や

事故は予想されつつも起きてしまう。それも、一瞬の意識のすき間をついてくる。この体験を

分析すると、分かっているという漠然とした安心感と気のゆるみ、自分の行動を客観的に統

御していない、漫然としたマンネリ行動、周囲の状況の把握不足等々が挙げられる。具体的

には、広く安全な実験スペースを確保し、プローブを当ててから電源を入れれば避けられた

筈である。これを一つ一つ確実に行うとかなり手間がかかる。無意識に色々な手抜きをして

いる。手抜きは一種の学習であるからたちが悪い。事故や失敗の体験はなかなか共有化す

る事が難しい。しかし、事故や失敗に共通する法則もある。ともかく、安全を確保するために

は、常に行動の直前に安全意識を再確認して自分の行動を律する意外にない。