2009/4/18
共同開発
ある時代理店から顧客への出張を要請された。その席で製品に関するクレームらしい話が
出てきた。お宅の製品は品質が劣るのではないかという風であった。故障等の品質に関して
は大抵の会社は専門の部門を持っている。現行品のクレームはそちらが対応するという事
を説明した。仕様、アプリケーションに関する不満なら関係がありますのでお話ししましょうと
いう事になった。グレーゾーンの製品の扱いであった。仕様上は合格品だが、実使用で期待
した性能が出ない製品がまれに混合する場合がある。これを除去するには本当の合格品を
多数犠牲にしてコストが合わなくなる場合がある。ともかく選別可能か検討してみましょうとい
うことになった。クレームを介して何度も顧客と仕事をしているうちに、実はこんな製品が欲し
いが市場にぴったりの製品が無い。是非開発して頂きたいという話が出てきた。汎用品の扱
いで他社さんに販売してもらっても結構ですということになり、共同で開発することになった。
開発には常にリスクが伴う。製品は出来ても、数量やコストが合わないだけで生産ができな
い場合もある。品質に関するクレームから少しずつ信頼関係を築きながら共同開発まで到っ
た。顧客ではガス機器に使われたが、汎用性があるので他の安全性の要求される製品にも
使われた。この製品は設計から生産まで高信頼性を実現するよう配慮して、後の車載用製
品の開発の基礎にもなった。