2009/4/7
卒研とインスタントラーメン
ぎしぎしと鳴る板張りの一階の研究室から新築成った鉄筋の高層ビルに移動した。そこで数
名の卒研生が卒研に励んだ。相部屋なので風通しは良くて同僚の研究の様子も分かった。
ワイヤーメモリー、バラクターによる分周、エサキダイオードによるインバータの研究等が行
われていた。今、振り返るとこれらのテーマには非線形デバイスという共通する要素があった
ようだ。そういえば、非線形方程式を数値解析をするために数学の洋書で輪講をしたような
記憶もある。昼食は余り気にならなかったので学食で済ませたのであろう。研究が追い込み
に入ると夜食が恋しくなる。当時はコンビニ等はなく、密かに持ち込んだインスタントラーメン
で空腹をしのいだ。熱湯だけは準備室で使えた。当時は学生運動が盛んな時期であった
が、卒研生はいわゆるノンポリで卒研に集中した。そういう不安定な社会状況にあったが卒
研を通して実社会における研究開発の基礎は修得できた。残念な事ではあるが卒業式らし
い卒業式ができなかった。多分、そんな卒業式を強行すれば大きな混乱を招くと懸念したた
めの決定であったと思う。