栴檀の花

2009/4/28

栴檀の花

子供が小さな時にどこかから掘ってきて、庭に小さな木を植えた。何の木か覚えがないが、

子供の気持ちをその木と共に残した。ついに見上げるほどの高さになったとき、樹上に紫色

の花が咲いているのに気付いた。何の木だろうか色々調べた結果栴檀の木であろうというこ

とになった。放置すると庭がふさがれるので上部を切りつめた。材質は軟らかくその分成長

が早いようだ。広辞苑で調べたら薬剤、用具材として使われ、古くは獄門のさらし首の木に使

われたとある。なぜさらし首の木が栴檀なのか。一時使うだけなので何でも良いのではとも思

う。樹勢が強く成長が早く材が軟らかい。材木としての価値はあるようだが、それほどの価値

でもなさそうだ。紫の花のイメージもその理由の一つなのか。ともかく、無価値ではなく、最低

でもないある程度の価値がある用材を使うという刑執行の作法があったと言うことは受刑者

の尊厳に配慮していたという事なのであろうか。田部井村名主宇右衛門も国定忠次郎に連

座して打ち首の刑を受けたことを思い出すと栴檀の花も無駄には咲いていないのであろう。