竹藪は鳥のねぐら

2009/5/2

竹藪は鳥のねぐら

竹は農業資材としてかっては多くの用途があった。養蚕具としても、竹かご等に使われた。竹

に代わって、プラスティック、鉄等が安価に使えるようになると竹の用途は激減した。結局、

竹を使わなくなる事に対応して竹藪の効用もなくなり竹藪も激減している。戦時中は我が家で

は防空壕を竹藪の下に作った。その残骸を見たことを思い出す。いつしか、その防空壕も姿

を消した。今では、七夕、竹とんぼ作り等にときたま竹の需要があるだけだ。唯一、毎年の一

回の楽しみが筍の収穫である。最近気付いたのだが、夕方になると多数のムクドリ、ハト、ス

ズメ等が竹藪に集まってくる。その鳴き声のかしましさが気になるが、暗くなると共に鳴き声

は消えてひっそりする。竹藪は鳥のねぐらに最適なようだ。なぜだろうかと考えた。その一つ

に、竹の枝は細くて、鳥がその枝を掴んでとまることにより身体が安定するのではないか。太

い枝や平面にはとまることは可能だろうが眠るときの姿勢としては不安定なのではないか。

更に竹の幹はつるつるして滑りやすい。従って、鳥を襲う蛇や害獣が登りにくくねぐらとして安

心できるのではなかろうか。鳥から見れば竹藪は毎日使う安心・安全なマイホームであった

わけだ。せいぜい害虫をたべて恩返しをしてもらえると有り難い。からすは竹藪で寝ないよう

だ。別格なのか。その鳥達も春になって巣作りに忙しい。