2009/6/20
技術講演会
会社では技術研究の刺激のため、社外の研究者等を招いて技術講演会を開催した。その
中に、半導体分野で多大の功績のある東北大西沢潤一教授の講演があった。半導体と言っ
ても分野が広く海の物山の物とは区別が付けられない草創期のデバイス研究を多くされてい
る。ある人が、半導体の開発史で姿を消したデバイスが「死屍累々」と横たわっていると表現
していた事を思い出す。あの有名なトンネルダイオードさえも実用デバイスからは脱落してい
る。実用性としては現用のデバイスに対してコスト、性能、量産性等でうち勝つ必要がある。
これは、石油の代替えエネルギーでも全く同じである。ともかく、レーザーダイオード、光ファ
イバー等今日の情報化社会の基礎にある高速大容量通信を可能にするデバイスの開発を
された意義は大きい。1989年に文化勲章を受章されたが、以来二十年になるのかと感慨深
く思う。講演では教授が行った研究の意味を素人がよく分かるように話された事を思い出
す。その後、同氏の著書も読んだが独創性を尊重して自分の研究成果を一般の人に分かり
やすく宣伝される等の点で啓発される事が多い。これは特許を多数取得されているいる事に
も通じるのであろう。特許を取得するは従来技術の欠点を示し、申請した特許の新規性・優
越点を売り込んで、それが特許庁に認められると共に第三者のクレームをはねつけねばな
らず、特許は誰からも文句無く独創性が認められてようやく成立するのである。自分も勇気
を持って下手な特許でも出願を心がけ部下にも出願を促した。ともかく出願は特許に到る第
一の関門である。