2009/7/10
2000年問題
今からほぼ十年前、西暦2000年を迎えるにあたり、コンピュータの2000年問題が社会の大
きな課題として浮上していた。コンピュータが誤動作して大きな混乱が生じる可能性があると
指摘され、コンピュータを使用している企業、官庁等はもとより一般人も対策を迫られた。こ
れが、日本だけでなく世界中の問題になったのであるから、大過なく西暦二千年の一月一日
を迎えたことは二十一世紀の始まりとしては祝福すべき日になったのであろう。世紀末の
1899年二十世紀を迎えるにあたり社会不安もあったようだ。千年紀ミレニアムという終末思
想と重なるのが2000年問題であったのであるが、この終末思想はあっけなくコンピュータの
2000年問題に席巻され宗教・思想的な目立った事件は発生しなかった。コンピュータが実生
活において、最早宗教・思想的を超越した無視し得ぬ存在であることを証明した歴史的・象
徴的な事件がコンピュータの2000年問題であったようだ。2000年問題を千載一遇のビジネ
スチャンスとしたのはコンピュータ業界であったのか。それのみではなく、社会の色々な業界
等が何らかの関係の中に巻き込まれたことであろう。コンピュータの2000年問題を社会不安
を誘う千年紀ミレニアムという終末思想の代用物として与えたのは天の配剤であったのか。
そもそも、問題自体が針小棒大であったのか。ともかく、コンピュータは疑え、信じるな、こき
使えに尽きる。