2009/7/11
冗長性
ある所に確実に到着する事が必要な場合、色々な方法が考えられる。大抵は想定される時
間に何らかのトラブルがあった場合に失う時間を上乗せして早めに出発する。時間にユトリ
を持たせるわけである。逆に事前によく調査をしていくつかの選択枝を準備する事も有効だ
ろう。出先で使う金が分かっている場合も、万一の出費を想定していくらかのユトリがあると
安心する。かって集積回路の開発をしていた頃、チップにわずかにすき間を生じた時に、そ
こに予備のトランジスタを作り込んでおいた事があった。万一、トランジスタが必要になった場
合そのトランジスタまで配線を引き延ばして使うことを想定した保険であった。こうする事によ
り、場合によれば配線の変更のみで対策が可能になり、コストと試作の時間を節約できる。
この冗長性が大きすぎる場合は、むしろ企てを見直した方が良い場合もあるだろう。ドライバ
ーや筆記用具等は必要な時に手許にないとイライラする。安物でもあちこち置いてある方が
便利である。これも探す時間の増大を数で防止するという一種の冗長性の例なのであろう。
しかし、最近はだめなら一層のことそこであきらめたらどうかと思ったりする。むしろ、そのよ
うな小さなすき間に、その時思いついた事を積極的にするのも良いかもしれない。