2009/7/5
欠陥の妙薬はFMEA(Failure Mode and Effect Analysis)?
かって会社でQS9000関係の仕事をしていた時に出合った概念である。不良モードとその影
響の分析という信頼性設計の概念叉は手法である。車は安全性が重要だと言っても動く凶
器であり続ける事には何ら変わりはない。これは製造側の論理で作られた手法であると言っ
ても良いだろう。システムの故障モードをあらかじめ推定して、その故障を出来るだけ起こさ
ない対策を設計段階で行う。また、ある故障が起こった場合、より安全側な側に落ち着くとい
う設計概念も重要である。これは、車体の構造設計により衝突時のエネルギーを分散吸収さ
せて人体への被害を減少させる手法に通じるものであろう。このように設計の初期段階にイ
ンプットを行う手法はフィードフォワード手法と言えるだろう。フィードフォワード手法がうまく成
功すればその効果も大きい。ともかく、車は出来るだけ安全を確保するように作っている、後
は使う側の責任だと割り切られたら車の負の側面の改善は進まない。一方、FMEAは工学
的な概念であるが、これが製造業の一部だけに適用されているのは何かもったいないという
感じもする。最近は制度設計とかで国のサービス事業でも欠陥の是正が喫緊の課題となっ
ている。官庁も率先してISOの認証を取得して国民の監査を受けるようになれば欠陥業務の
多くが改善されるのではなかろうか。既に、会計監査システムに欠陥があった事がはっきりし
たがどのような是正が為されたのか。工学的手法も社会学的手法も何ら適用を制限する必
要はないと思う。