2009/7/17
インピーダンスチャート
テレビ受像器の中間周波数は58MHzであった。真空管の時代はこの数分の一位の周波数
であったと思う。ともかくこの58MHzという周波数はVHF帯に属し、超高周波であった。周波
数が高くなると、コンデンサー(C)とかコイル(L)の定数の影響が大きくなる。このCとLがあ
る周波数でどの程度のインピーダンスになるかを図表にしたインピーダンスチャートがあり実
務では重宝した。電卓で計算するとなると何回かの操作が必要になり手間を要する。入社し
た当時から技術者が使っていたので、それを分けてもらった。ハンドブックにも付録で掲載さ
れた事があった。しかし、実際に回路をいじっているとこの図表を覗くのも面倒になる。そん
な時、自分が常に使っている周波数で1PFの容量が何オームのインピーダンスになるかを
覚えておいて、その他の値の場合のインピーダンスを概算する事がよくあった。目の子算と
いう所であろう。目測も訓練すると実用上間に合う程度の値が読めるようになる。それと同じ
であろう。ところが、ICのパッケージのピンとピンの間にも浮遊容量が存在しており、それを
考慮しないと発振等の問題を生じることもあった。正確な値は必要がないが、無視して良い
値か考慮すべき値かは何事においても知って置いた方が良いであろう。