2009/11/19
ブール代数
大学から入社数年間の頃に学んだ事があった。コンピュータやデジタル回路は単純な論理
回路を積み上げて構成されている。論理回路も記号論理学の論理式で表す事ができる。そ
んな訳で、自分の仕事はアナログ電子回路が中心であったが、デジタル回路を専門にする
若手社員と一緒にブール代数等の勉強会をした事があった。厚い本を買ったが、その導入
部が終わった頃に勉強会も終わってしまった。しかし、テキストが手元にありその導入部を時
間を掛けて勉強しておけば、必要な部分は後からでも何とか手がかりが得られるものであ
る。ロジック用の集積回路を使って何とか生産用の測定器を作る事が出来たのもこういう勉
強が基礎になっていたのかもしれない。当時のロジック用集積回路はTTLという方式であり、
製造プロセスはバイポーラであり、アナログICと同じであり、内部回路も何とか理解できた。
ロジック回路のウエイトが高くなった時に採用したのがBi-CMOSであった。アナログ部がバイ
ポーラプロセス、デジタル部がCMOSプロセスであった。このデジタル部の設計はほとんど
CADで行われるのであったが、当時はBi-CMOSプロセスに対応するCADの能力が不十分
であった。従って、CMOS部門のCADからデータ等を移転してもらって全体設計をした。丁度
その時に自分のグループにCMOSを担当していた技術者がいたのでそれらの人には仕事を
の枠を越えて協力して頂いた。ともかく、初めての仕事をする場合は色々なお膳立てが必要
である。それに続く人々にはその辛さもそれを克服した嬉しさも少なくなるのだろう。現在は
畑の土いじり等をしているのだが、現役時代にはよくあんな事ができたなと思ったりする。