ZD運動
社会人になった時、工場現場のZD運動というのを知って、何か新鮮さを感じた。社団法人
日本能率協会のホームページによると、1965年4月~1966年3月 ZD(欠陥ゼロ)運動の普
及・啓蒙開始 とある。昭和40年であり不良品をゼロにする(Zero Defect)事が生産性を高
め、経済の高度成長を支えた運動の一つであったと頷かせる。地方の中卒、高卒の人材が
金の卵と言われ、昭和39年の流行語となった。物を作れば直ぐに売れる時代で、極度の労
働力不足の時代には賃金の安い未成年労働力はまさに金の卵であったように見える。当時
の半導体生産はほとんど手作業に頼っていたので、精度の高い仕事には若い労働力が必
要とされていた。工場では若い白衣の工員が不良率を調べて、グラフに表示したりして運動
を盛り上げていた。たまたま、工場に出かけてZD運動の様子を見ると頑張っているなという
印象を受けた。各部署から優秀な成果を挙げたグループが選ばれ、他部署とその成果を競
い、上位のグループは表彰される栄誉もあった。自分は生産現場とは直接関係が無かった
ので、現場のZD運動の詳細は知らないが、長年この運動が続くといつしかマンネリの傾向
が出てきたようで、徐々に終息していったのではないかと思う。ともかく、このようなZD運動等
により生産現場の人材育成や生産技術、管理技術の向上・継承が行われ、日本の製造技
術の基礎が作られたのであろう。