タイムカプセル

2009/12/20

タイムカプセル

WIKIPEDIAの「日本万国博覧会」の記事によると、大阪万博の来場者数は6421万8770人

であったとの事だ。開催時期は 1970年3月14日 - 9月13日(6ヵ月、183日間) であった。膨

大な人数が特定の展示物を見るという経験をした筈だ。この記事で目を引いたのが二個の

タイムカプセルが作られたとの事。一つは5000年後の6970年に封印が解かれる。もう一つ

は2000年から百年ごとに開封されて保存状態等が確認される。化石、石器、土器等も一種

のタイムカプセルには違いないが目的をもって残されたというより、偶然に残っていたという

に近いだろう。ともかく、今後寿命100年の時代を迎えると一生に一度はこのタイムカプセル

を拝めるチャンスはあるかもしれない。全て予定通りに物事が過ぎれば、二つのカプセルの

中身が照合できるであろう。奇跡に近いのが二つのカプセルの中身が完全に一致する事で

あろう。最も残念な結果はこの二つのカプセルそのものや情報すらも完全に消滅してしまう

事であろう。100年毎の開封は情報の伝達と言う点でも不安が無くはないであろう。50回のリ

レーが必要だが、その時間間隔がリレーの情報、リレーの物件を確実に伝えるのに適切で

あるかという問題である。伊勢神宮は20年毎に式年遷宮を行っている。丁度始まった頃の人

間の寿命の半分程度の長さのように思われる。世代間のタッチゾーンが半世代ある事によ

り、情報、物資等の引継が滞りなく行われることにより、原型が保存されているようだ。

万博のタイムカプセルとは別に人類のタイムカプセルを作ったらどうであろうか。50年毎に当

時の最新技術で第二のカプセルからコピーを作り、それを世界の博物館に配布する。代N号

のコピーは代(N-1)号までのコピーを参照して第一の原カプセルの正確な復元を目指す。

100個のタイムカプセルが世界の各地に分散設置される事になる。50世紀後に残る確率は

大きくなるであろう。何かDNAによる種の保存のような感じがするが。このようにすれば、国

が滅び、文明が移動しても20世紀の記憶が伝えられるかもしれない。ともかく69世紀まで人

類の歴史を正確に残す仕事はチャレンジに値するだろ。しかし、残すに値する物は何であろ

うか。