2010/1/20
従来の技術
特許の出願に際しては下書きは自分で行った。しかし、その書式・構成等はすっかりわすれ
てしまった。特許電子図書館の書式は以下の項目からなっていた。
●(書誌+要約+請求の範囲+実施例)
書誌 要約 請求の範囲 詳細な説明 利用分野 従来の技術 効果 課題
手段 実施例 図の説明 図面
何か実験ノートの項目のようでもある。確か、会社でも技術者用の専用ノートを用意していた
ような記憶がある。米国流の特許対策という一面があったかもしれない。発明の先行性を証
明する為にはあるルールで継続的に作成・記録した資料の方が証拠能力が高いという事で
あろう。しかし、技術者のノートは技術者の脳裏も暴いてしまう可能性もある。落書き、殴り書
きは常のこと。誰か他人が見るとなると自己規制が働き、ノートを書くことが仕事になってしま
うような気がして普通の市販ノート一冊で全てをまかなった。従って、当座の備忘録で終わっ
ていた。特許出願も見方によれば、その出願内容が科学・技術の独自性・新規性・有用性を
主張して、発明者にその技術の独占使用権の許可を求めるものであろう。山中 伸弥氏の特
許出願には六名の弁理士が名を連ねていた。水も漏らさぬ体制で出願に臨んだのであろ
う。ともかく、技術者が挑戦するのは新規分野の開拓、新しい独自の技術等である。従来技
術では実現できなかった課題を解決する手段を提供することである。特許の出願はある意
味では他人が出来なかった事を自分が実現したという自己主張も含まれるように感じる。そ
のような努力の結果が特許として正当かつ有用であることが認められることにより、その努
力の対価として独占的な権利が許可されるのであろう。半導体の世界では死屍累々と色々
なデバイスが生まれて消えていったというような文を読んだ記憶がある。平成5年以降の特
許電子図書館での検索ヒット件数:「半導体デバイス」に関する技術が 10102件 見つかりま
した。半導体の普及の初期には技術進歩も早く、「半導体デバイス」の発明件数は膨大にな
るのではないか。残念ながらそれを検索するノウハウが無い。コンピュータで全ての特許文
献をバリバリかみ砕いて特許制度開始までの情報をキーワード検索出来るようにして頂くと
技術の価値や歴史を探る福音になるかも知れない。