おとおか:いとしきもの

2010/2/25

おとおか

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おとうか  化かす -狐 -キツネ -タヌキ -狸 に一致する日本語のページ 約 20,200 件中 1 - 20 件目 (0.57 秒)
むじな  化かす -狐 -キツネ -タヌキ -狸 に一致する日本語のページ 約 691 件中 1 - 20 件目 (0.56 秒)

極幼少の頃は昔話を聞いたような記憶がある。もう半世紀以上前になってしまった。おとうか

という動物がいて人を化かすという話である。記憶に残っているのは化かされて馬鹿な目に

あったという事である。おとうかというのはこの地方だけの言葉であったのか。Google検索で

は見当たらない。人を化かすといわれるキツネ・タヌキを除外するとむじながでてきた。むじな

を調べると穴熊、タヌキの異称とある。ともかく、言葉の上でも正体が掴めない。一人、寂しい

夜道を歩いていると、後ろから誰かがついてくるように感じる。ちょっと怖いが、気にかかる。

こういう風に話が始まると、直ぐに話しに引き込まれてしまう。するとおとうかは、招き猫の手

を裏返ししたような格好で何かサインを送ってくる。バカされる途中の話ははっきり覚えてい

ない。この辺に話し手の極意があったのかもしれない。怖いどころか、当人はおとうかをすっ

かり信じてしまい、落ちていた小判を拾ってしまう。ところが、何かの拍子で現実に戻ると馬

の糞を掴んでいたということであった。小判が肥溜めに変わったバージョンもあった。化かさ

れて、良いお風呂に入れてもらった。きっとおとうかは妙齢の娘にでも化けたのだろうか。そ

こまでは聞いた覚えは無い。良いお風呂だったと、風呂から上がろうとした時に、そこが肥溜

めだと分かって大笑いをする。そうして、おとうかに化かされないようにするためにはこうして

眉に唾をつけるのだよと古老は教えてくれる。昔は、身近な動物で化かされないよう教えてい

たのかも知れない。その動物はやはり、イヌやネコではつとまらない正体があやしい存在で

なければならないようだ。その裏には、人間も人を騙すから注意をしろという教訓が潜んでい

るようでもある。今日、幼児は知らない人から声を掛けられたら、黙って直ぐに家に帰りなさ

いと教えられている場合が多いだろう。幼少時から人間不信の教えを受けてしまう。大人も

子供も眉に唾を付けて騙す相手を見破る訓練が必要なようだ。何しろ、このおとおかは人間

の分身であるかのようなのだ。