2010/2/26
集中と選択
この言葉を耳にすると色々な事を連想する人が多いだろう。その逆を表す言葉は何か。分散
と○○。選択の対立用語は非選択か。選ばないというので放任。選ぶという積極さの逆は切
り捨て。色々ある事を選別してそれに資源を集中するという事はリストラの意味にも通じる。
生物が大きくなるのは、細胞が増えるのと、細胞が大きくなるのと二つの要因があるという。
ある目的で、アウトプットを大きくするためにはその単位組織を増やすのが普通だ。支店や
営業所の数などはその例であろう。しかし、数が増えればその数に応じて増える経費も生じ
る。適正規模という数の調整も経営上の問題となる。Googleの検索サービスが気になった
のでGoogle検索してみた。Google検索の結果:Google サーバー数 に一致する日本語の
ページ 約 9,110,000 件中 1 - 20 件目 (0.23 秒) 。ともかく、利用者が余所に移らない短い
時間にアウトプットを出してくる。Googleが保有するサーバー数は非公開だが数十万台程度
であろうという情報が手に入る。いくつかの情報を見ると使っているサーバーは特殊なもので
はなく、普通の物であるようだ。高性能なサーバー1台より、普通のサーバー2台の方を選
択している。Googleの技術とはそのような多数のサーバーを効率・、安定・高信頼的に運用
するソフト面にあるようだ。翻って、平成の大合併もそろそろ、山を越えて多くの自治体が吸
収合併して、その流れが終息しようとしている。この合併の効果は直ぐには計れないかも知
れないが、Googleのサービスの対極を行くように思えてしまう。多くの市町村が生まれてきた
のはそこに必然性があったのではないか。それを、目先の効用だけで小さな自治体を解体
処分してしまうのは本当にもったいないことであろう。Googleのサーバーは12Vの電池を備
えているとの事だ。これは分散処理の生き方かも知れない。要は万一の場合、最悪の検索
サービスをダウンさせない処置であろう。0.2秒の検索時間が倍の0.4秒になっても誰も不平
を言わないであろう。地震やテロ等で被害を受けても、分散化により検索サービスの続行は
可能であろう。少子高齢化の時代を迎えて、行政の恐竜化は本当に望ましい姿なのか。ハ
ードはそれが必要なところに分散して置けばよい。そのハードとハードを連結して最高の効果
を実現するのがソフトだ。この部分はIT化に良くなじむ。バーチャルな本庁は支所のモニター
の中にあればほとんどの業務は可能になる。まさにGoogleの手法の逆の発想がまかり通っ
ているのが日本の現実なのかもしれない。行政サービスこそGoogleの一枚のサーバーの集
まりのように分散化が最も効果のある手法なのではないか。これは、恐竜の頭脳では実現
出来ないのは明かではあるが。国税庁がパソコンによる確定申告の案内を送ってきた。今
日では、税務署や銀行の一部機能も自宅で間に合う時代なのである。