求職:いとしきもの

2010/4/12

求職

年老いし我に採用の通知ありて心済むまで靴を磨けり

昭和萬葉集16巻。はたらく人々 求職の区分にあった短歌である。  歌を詠む人は歌の会に

所属している人も多いようだ。昭和萬葉集にはその所属が記されている。一方、会誌以外の

新聞や雑誌から収録されている歌も散見する。そういう歌はまた別の味わいがあるのではな

いか。別の視点も感性もあるのかもしれない。今回は目次から歌を探してみた。自分が就職

した当時の雰囲気を知りたかった。そうして出合ったのがこの歌であった。何の説明も解釈

も必要がない。しかし、何か初々しさを感じる。自分がしたい仕事を出来ることがどんなに大

切なことかそれは誰も理解できるだろうが、現実はそれがかなわない。自分がたたいた門戸

が開かれた時の爽快さを感じた。それは年齢に変わりがない。