冬瓜:いとしきもの

2010/9/26

雑草句録:冬瓜

■冬瓜やこれから食べ方研究す

通販で種子を購入した。大丸とうがんというだけあってかなり大きな実がなった。しかし、食べ方が分からない。インターネットで調べると色々あった。レシピを印刷してこれをおまけに付けて直売所に出したら、ぽつりぽつりとは売れた。ともかく、出した分は完売した。

冬瓜そのものには余り味がないので、その持ち味を生かすのが調理のコツのようだ。ヘルシーでもある。マイナーな野菜なので調理研究家と名乗る人も余り紹介していない。そんなマイナーな事をしていたら仕事も没になってしまうのだろうか。

冬まで置けるというのが名前の由来らしいので、その辺に転がして置いて、食べたくなったらたべるような使い方が良いのかもしれない。冬瓜料理を人に出せるようになれば料理の腕は一流ではないか。素材は調理人が引き立てる物だ。

しかし、一抱えほど大きい冬瓜は始末に困る。小丸冬瓜という品種があり、それを作ったこともあった。結局、自分で調理をしなかったので余り口には入らずに終わった。そう言う点では食生活は今後ともあなた任せの傾向は続くだろう。

老後は、時間のゆとりも生まれるので作って食べる楽しみを味わうのも良いのではと思っている。その点、冬瓜は面白い素材であると思う。濃い味でがつがつ食べるのではなく、薄味で各種素材のハーモニーを、料亭に行ったような気分で楽しむのはどうだろうか。

追記:

書きだめ記事に素材のハーモニーと書いてあるので、オーケストラの事を思い出した。オーケストラの素材と言えば、楽器と奏者、指揮者の指揮棒を楽器と見なせば、指揮者も奏者の一人だ。オーケストラを聴いている時は、指揮者の事等余り気にしていないのではないか。調べてみると、楽器に弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器の四種類があるが、打楽器の種類が20種前後でかなり多いが、弦楽器、木管楽器、金管楽器は各四種類とあって、オーケストラでは30種類程度の楽器が音のハーモニーを出しているようだ。

種類の多い打楽器はスパイスの様な音楽の味付け役かもしれない。主役ではないがこのスパイスがないと味気なく感じるのはオーケストラと料理に共通しているようだ。ともかく、これだけ多くの楽器が音を出していると、一つの楽器の音を聞き分けて観賞することは難しくなる。演奏の中にはある楽器のパートをだけを聞かせる部分もあるようだが。

そこで、冬瓜の調理と鍋料理の比較。冬瓜だけを旨くたべるのは楽器のソロ演奏のような感じがする。上手に素材の味わいを引き出さないとすぐにぼろが出る。一方、ナベ料理はまさに味と素材のオーケストラ。調理人、素材の腕と質を量と数でカバーしているようだ。

市販の単品の調理済み食品に使用されている素材(原料)をみると○○のXXと表示されている場合が多い。○○が主たる素材、XXが調理法等。所が○○意外に相当多くの調味料等を使っている。食品メーカーとしては、○○という素材だけで売るとなると、セールスポイントになるその素材の品質だけが決め手になるが、他の素材を併用することにより色々な味付けと付加価値が付けられるのであろう。食品メーカーの売るための工夫はアマチュア調理人にも参考になりそうだ。

そう、考えると冬瓜の調理にも、色々な工夫を加えてみる事ができそうだ。冬瓜だけの単品料理はあきらめて、いくつかの脇役とコンビを組ませるのも面白そうだ。味もクセも余り無い素材なので、あなた好みの味に染まるかもしれない。