読みかじりの記:生命特許は許されるか 天笠啓祐 編著 (2003年 緑風出版)

2011/10/6
昨日は曇り後雨。朝方は定例の仕事。刈払機で草刈り。混合ガソリンを1升ビンに入れていたが、コルク栓が折れてしまった。木ねじで回したが残部がビンの中に落下。何とか給油ができた。こういう時には、コルク栓抜きが見つからない。以前拾った栗を乾燥してゆでたがほとんど中身がダメだった。とりたてをゆでるべきなのか。甘みを増すため乾燥したが失敗。乾燥期間が長すぎて腐敗や虫食いが発生した。鬼皮と渋皮があるので変質する事はないだろうと思いこんでいた。

2011/10/5の天気

TAVE= 14.5
TMAX= 15.8
TMIN= 13.7
DIFF= 2.1
WMAX= 2.7
SUNS= 0
RAIN= 27

最低気温(℃)  13.6  01:54
最高気温(℃)  16.0  09:33

読みかじりの記:生命特許は許されるか 天笠啓祐 編著 (2003年 緑風出版)

特許庁 特許電子図書館により、幾つかのキーワードで調べた用語のヒット件数を以下に示す。(2011/10/5)

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「生命」に関する技術が 2470件 見つかりました。
●  特許   ・・・   2339件
●  実用新案   ・・・   131件

「遺伝子」に関する技術が 41594件 見つかりました。
●  特許   ・・・   41580件
●  実用新案   ・・・   14件

「生物」に関する技術が 91863件 見つかりました。
●  特許   ・・・   90839件
●  実用新案   ・・・   1024件

「植物」に関する技術が 52925件 見つかりました。
●  特許   ・・・   50300件
●  実用新案   ・・・   2625件

「動物」に関する技術が 68084件 見つかりました。
●  特許   ・・・   65794件
●  実用新案   ・・・   2290件

「ヒト 遺伝子」に関する技術が 14249件 見つかりました。
●  特許   ・・・   14249件
●  実用新案   ・・・   0件

「遺伝子操作」に関する技術が 1235件 見つかりました。
●  特許   ・・・   1235件
●  実用新案   ・・・   0件

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以下は本書のメモ書きである:

生命特許のきっかけは以下の米国事例:チャクラバーティ裁判。1971年GE社が石油を食べるバクテリア(発明者=チャクラバーティ)特許出願。米特許庁は却下。1980年米連邦高裁が「チャクラバーティ」の出願を特許と認める判決を下した。1985年最初の植物特許(トリプトファンを多く含んだトウモロコシ=出願モレキュラー・ジェネティック社)を承認。1988年遺伝子改造マウスを特許承認。

日本では1993年ハーバードマウスが特許出願された。動物も特許の対象となる。

背景には知的所有権支配による国力の維持・強化という国家戦略がある。

従来属地主義的な知的所有権はGATTからWTOと国際的な枠組みに取り込まれた。

第2章 生命を特許の太守にするな ショーン・マクドナー (単行本第6章の和訳)

生命特許の不当性の主張と事例解説等。この章の背景には、本章著者の生命に対する宗教的、哲学的、世界観的な信条・生命観も含まれているようだ。その主張の一つに、生命は新しい物ではないので、新しい発明の対象ではないというもの。それを突き詰めると公知・公有の生命を特定者の所有権の対象にできるかという倫理的問題まで遡る。

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本書は発明・発見についての権利の正当性について考えさせる内容を含んでいる。近代的な特許制度ができてからまだせいぜい1~2世紀も経っていないのではないか。発明・発見が人間に色々な動機を与える。そこには、経済原理、競争原理等人間社会の基本的な面がある。一面それは個人の問題である。しかし、社会、経済が未発達ならば特許も意味がない。特許を認め、成立させるのも社会や経済がその基礎にある。そう言う意味では特許権も、強力な権利であるが絶対的ものではない。しかし、社会経済がグローバル化すると、その特許権もより協力に作用する。発明・発見が基本的には個人の能力に負うが、そのレベルまで達するためには、公知の社会的・学問的知識が必要だ。ニュートンは一人の個人の能力を巨人の肩に乗った小人に喩えた。これはニュートンの謙遜だったかも知れないが、当然の事実とも思える。ともかく、発明・発見がそれを独占できれば膨大な利益をもたらす。それが発明・発見を促すという、正帰還的な効果を持つ。それが行き過ぎると、弊害の方が大きくなる。生物に関する特許もその例に漏れないだろう。生物自体は、本来人間が作りだした物ではない。

人間は生物に対して色々な対応をする。それは、文化の差によっても生じる。植物より動物に親近性を感じる。動物では魚類よりほ乳類に親近感を感じる。本書は「生命特許」という用語を使用しているが、ちょっと違和感を感じた。特許電子図書館で「生命特許」に関する関連キーワードを検索してみた。特許では「生物」の方がポピュラーなようだ。しかし、「生命」の中に遺伝子・DNA等をイメージしているのかもしえない。「生命を特許の対象にするな」という主張には頷けるが、世界がその逆の方向に進んでいる。遺伝子治療も特許の対象であろうが、非常にまれな遺伝子病患者は助かるのか。金にならなければどんな特許も塩漬けになるのではないか。

日本では特許の存続期間は出願から20年。既に2008年に「人工多能性幹細胞(iPS細胞)の製造法 」の国内特許は成立しているようだ。iPS細胞を使った医療は実用化まで曲折があるだろうが、米国では遺伝子操作が施されたトウモロコシや大豆は既に大量に生産されている。除草剤と種子がセット販売となると、作物の特許が切れても、除草剤の方がどうなるか分からない。遺伝子組み替え作物の問題は、その安全性と在来生物との交雑による遺伝子資源のかく乱だろう。消費者が自己を守るにはどうすれば良いのか。遺伝子操作されて大量に生産される作物は価格メリットで在来作物を圧迫するだろう。遺伝子の違いは、放射能と同じで目に見えない。安全性はどうなるのか。特許も見方によると怖い側面があるようだ。