2012/3/28(水)
昨日は晴れ。穏やかな晴天。青空が見える。以前の台風で屋根の上まで傾いたナツメの木の縮伐を始めた。うまく作業をしないと屋根を壊す。方法を考えながら途中まで作業。三月中頃からだろうか、早朝ケンケンとけたたましく鳥が鳴いている。人が活動を始める時刻になると鳴き止む。かみさんと近所で飼っているクジャクだろうとかと話題になった。鳴いている時に外に出たら、方角が違う。どうも雉らしい。人家が並ぶ場所で雉が鳴くのも今までなかったように思う。山野が住み難くなったのか。郊外が住み易くなったのか。NHKのニュースで福島原発2号機のファイバースコープ調査画像が放映された。原子炉に注水された水は高濃度放射能汚染水となって炉外に流出していたことになるが、いままで報道はその真相を伝えたのか。
2012/3/27(火)の天気
TAVE= | 8.1 | |
TMAX= | 15.3 | 最高気温(℃) 15.8 15:04 |
TMIN= | 1.2 | 最低気温(℃) 1.0 05:09 |
DIFF= | 14.1 | |
WMAX= | 4.7 | 最大瞬間風速(m/s) 9.3(東南東) 16:52 |
SUNS= | 11.8 | |
RAIN= | 0 |
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老人の寝言:今まで驚くべき計画的隠蔽工作はなかったか。福島原発事故の一年後。
2012年3月27日 (火)の記事「老人の寝言:昨年の今頃は放射能汚染水が心配だったが、問題は更に大きくなっていないか」で、放射能汚染水の保管危機の問題を考えた。当局はステップ1の冷温停止が実現して、ステップ2に入ると実績を誇示して見せた。ところが、最近の2号機のファイバースコープによる、炉内調査で、格納容器の水位はわずか60センチに過ぎないと、新聞各紙が報じている。以下、は、日本経済新聞が報じた内容だ。
日本経済新聞は、「福島2号機の格納容器、水位わずか60センチ
内視鏡で確認 注入水の大半漏出か ;url=http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819595E0E4E2E08B8DE0E4E2E1E0E2E3E09F9FEAE2E2E2(2012/3/26 20:37)」というタイトルで、「東京電力は26日、福島第1原子力発電所2号機の原子炉格納容器内に工業用内視鏡を入れ、格納容器にたまった冷却水を初めてカメラで撮影したと発表した。水面は容器の底から約60センチメートルの位置にあった。水深は当初4メートル以下とされたが、大きく下回った。27日には内部の放射線量を測る。 炉心溶融を起こした1~3号機の中で線量が低い2号機から調べたが、それでも注いだ水のほぼすべてが漏れ出る損傷があるとみられる。廃炉作業では格納容器に水をためて放射線を遮蔽する計画で、作業の難しさが改めて浮き彫りになった。 東電は水温がセ氏48.5~50.0度だったことから「格納容器底部に落ちた燃料は水につかって冷却できている」(松本純一原子力・立地本部長代理)としている。水漏れは圧力抑制室やそこに続く配管が損傷している可能性が高いという。」と報じた。
原子炉には、毎時数立米の注水が行われている。日量にすれば100立米前後にはなるだろう。水温は風呂の温度より少し高い程度なので、蒸発する水量は少ないだろう。そうすると、注入した水のほとんどが、格納容器外部に流出している事になる。当然、この流出した水は、原子炉の炉心を洗うように流れるだろうから高濃度放射能汚染水という事になるだろう。ところで、昨年9月の以下の「地下水3万5千トン流入」という記事が思い出される。建屋への地下水流入の原因は建屋のコンクリート壁に地震による亀裂が入ったからというもっともらしい理由が並んでいる。、
asahi.comは、「福島第一原発、建屋に地下水3万5千トン流入;url=http://www.asahi.com/national/update/0921/TKY201109210686.html(2011年9月22日0時50分)」というタイトルで、「東京電力福島第一原発で、敷地内の建屋などにこれまでに流れ込んだ地下水の累積は約3万5千トンと見積もられることがわかった。大雨のシーズンを迎え、地下水の流入を抑えながら汚染水があふれ出すのも防ぐ微妙な水の管理が必要になる。 東電が汚染水を浄化して注水する循環注水冷却を始めた6月末時点で、1~4号機の建屋と集中廃棄物処理施設の高濃度汚染水の量は約12万1千トンだった。3カ月間の浄化処理の後、本来なら約6万トンに減るはずだったが、実際には約9万8千トンが残っている。 東電はその差から、外から供給した冷却水を差し引いた約3万5千トンの大半は、建屋の亀裂などを通じて流入した地下水とみる。1日あたりの流入量は200~500トンという。 」と報じた。
上記の記事を書いた記者はどんな記者感覚で取材したのだろうか。素人ながら、たとえ、地震により亀裂が入った建屋のコンクリート壁から、地下水が入ってきても、地下水自体は、地下への放射性物質の拡散がないかぎり、きれいな水の筈だと思わなかったのか。恐るべき事に、上記記事の水量はすべて「高濃度汚染」として計算されているように見えるのだ。そうして、各原発に注入された一日分の水量を目の子で計算すると 100立米程度X4基分で数百立米程度になる。トン数でいえば、まさに上記の記事の日量数百トンと符合するのだ。格納容器に亀裂が入って、冷却水がジャジャ漏れになっていることを想定して、巧妙なトリックが仕込まれているような情報開示がされたように思われるのだ。流入したのと流入させたのは正反対だ。
3.11三大災害から一年を経て、各方面で検証作業が進められている。しかし、新しい事実が公表されるのは意識的に遅らされているようにも感じる。こんな状況なのだから、検証は毎年行い、毎年年次報告を出し、廃炉後も検証作業を続けて本当の事実は記録に残すべきではないか。単なる区切りをつけるだけの形式的な検証では将来の事態に何の役にも立たないのではなかろうか。福島原発事故は津波による全電源喪失が直接的な原因とされているが、老朽化による耐震能力の低下が基本的に存在するという専門家の意見がある。このような基本的な信頼性問題を真摯に検証することが求められているのではないか。当局は、M9.0の巨大地震でも、原子炉は止まったと胸を張り、津波さえなければという恨み節を通そうとしているようだが、原子炉システムの耐震能力が高ければ、あるいは福島原発事故は避けられていた可能性も否定できない。未だ、地震発生から1~3日間程の分秒レベルの動きは正確に捉えられていないブラックボックスの状態にある。原発の水素爆発事故も格納容器からの大量の水素漏れが原因だろう。その原因を更に突き詰めれば格納容器の破損に繋がることは科学的な必然に近いのではないか。この仮説が正しければ、上記日本経済新聞の内容とも辻褄があってくるのである。
もう一つ、奇妙な大きな謎がある。M9.0の地震で、原子炉は全て停止した。それなのに、原子炉建屋の基礎部分になる、コンクリート壁の亀裂で、日量数百トンの浸水があると伝えられているが、それほど原子炉建屋が脆弱なものかという疑問、というよりは疑惑である。原子炉の経年劣化はすべての原子炉にやがて訪れる末期症状である。この事実を隠蔽して、全ての原発事故原因を津波に押しつけようとするのは明かな意識的な隠蔽工作ではないか。
「福島第一原子力発電所;。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80#.E4.BA.88.E5.AE.9A.E5.9C.B0.E3.81.AE.E7.94.B1.E6.9D.A5。」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。(最終更新 2012年3月26日 (月) 12:43)(http://ja.wikipedia.org/)の一部引用=「配置計画 [編集]:なお、その後の技術誌には標高35mの台地と書かれている。これを標高10mまで掘削整地し、海岸線に平行してタービン建屋を設置、その陸側に原子炉建屋、主変圧器などを設置することとした。事務本館はタービン建屋の北側に設置し、超高圧開閉所は標高35mの台地上に設置した。台地を掘削したのは原子炉建屋など重要度の高い建物を岩盤に直接支持させるためであったが、津波の可能性は一定のレベルまでは考慮していた[59]。」
原子力発電所立地の地質は岩盤の上であり、海面から数メートルの標高で、原子炉建屋に日量数百トンの浸水を起こさせる程の地下水位があるのか疑問に感じる。実態は、保管設備(タンク)が直ちに確保できないので、緊急避難的に原発建屋の地下を貯水タンクとして代用したのが真相ではないか。原発建屋の地下に高濃度汚染水を一時保管するとしたなら、原発建屋の地下の健全性は不可欠である。よくよく突き詰めてみると、何重もの疑問符が付くのである。当局がやってきたのはマッチポンプのような芝居に見えてしまう。事実の本質を隠し、責任逃れをしつつ、全てを後回しにする。そこには膨大な機会損失も生まれる。一分一秒の遅れが限りなく増幅された損害として降りかかってくる。風評被害がその一例だ。以上を自分なりにまとめると、原子炉はM9.0という地震の一撃で損傷を受けて、その結果が継続している途中に津波が襲い、津波対応で対応が後手後手となり、収束がつかなくなり、被害が拡大したのではないかと推測する。当局は、福島原発事故当初は原子炉の健全性は確保されていると懸命に説明したが、それが事実でないことは白日の下に示された。やはり、原子力発電所の安全性の基本は原子炉や原子炉管理システムの堅牢性にあるのではないか。地震対策が不十分の上で津波対策をしても屋上屋を築くだけではないか。
ここまで書いて、もう一つ盲点に気付いた。汚染水の浄化循環システムが稼働して、高度放射能汚染水の外部環境への流出は問題にならない程度に減少したと思っていたが、注入した水量よりやや少ない程度(即ち大量)の高度放射能汚染水が依然流出している事実が明らかになったのではないか。汚染水の浄化循環システムが稼働しているから安全というのは真相の全てを語ったていないように思われるのだ。