果樹を楽しむ(愛しきもの 花と実):ミニリンゴ(メイポール)

2012/4/24(火)
昨日は曇り時々雨。季節的にはやや遅いが接木を少々。夜会合。4/20は二十四節気の穀雨であった。百姓にとっては百穀を潤す恵みの雨が降る季節。ジャガイモが発芽して芽が伸びてきた。ニンニクも芽が出始めた。ザクロの赤い芽が出てきた。縮伐したナツメは芽が出ていない。栗も芽を出している。ザクロ、ナツメ、クリ、サンザシ、松、カラタチ、ヒイラギナンテン、サンショウ、タラノメ等々トゲのある樹木が多すぎる。サンショウは鳥の糞で種子が運ばれるのか雑木として畑に生えてくる。若葉を天ぷらにすると香りがあって旨い。トゲも植物が進化の中で身につけた自己防衛の知恵と考えるとあながち憎めない。サンショウは落葉樹でミカン科。カラタチも落葉樹でミカン科。冬季にミカン樹が落葉しても枯れなければ、カラタチの性質があるので、春には芽を出すだろうと楽観していた。その通りになった株から接ぎ穂を採種した。枯れてしまったミカン樹もかなりあったが。カラタチもミカンも発芽中だ。

2012/4/23(月)の天気

TAVE= 12.1
TMAX= 14.9 最高気温(℃)  15.4  14:05
TMIN= 9.2 最低気温(℃)  9.1  01:42
DIFF= 5.7
WMAX= 2.8 最大瞬間風速(m/s)   4.7(北西)  14:40
SUNS= 0
RAIN= 3.5

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果樹を楽しむ(愛しきもの 花と実):ミニリンゴ(メイポール)

リンゴ樹は一般に、土台の台木の上に品種の建物を乗せたような二階建ての建物のような構造をしている。接木育成した果樹は大体この構造を持つ。人類が接木技術を発明したのは偉大な進歩だと思う。千年以上前に遡るようだ。鋭利な刃物があったから可能になったのだろう。近い品種が一心同体となり、その両方の良い点を発揮するように育成される。りんごでは、従来は台木にはマルバカイドウが主に使われてきたが、最近は矮化栽培が可能な台木が開発されているようだ。果物の品種改良は交配や突然変異が中心であったが、最近では、遺伝子工学的手法による新品種開発の研究も行われているようだ。

農研機構のホームページは、「リンゴカラムナー性のDNAマーカー選抜法;url=http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/fruit/2009/fruit09-09.html()」というタイトルで、「リンゴのカラムナー性は、側枝が伸びずに短果枝を着生し、円筒形に近い樹形を示す。このため、カラムナー性は果実生産の省力・軽労化を図れる樹形として注目されているが、優れた果実品質をもった品種はいまだに育成されていない。そのため、果実品質の優良なカラムナー性品種を早急に開発することが求められている。カラムナー性は通常型の樹形に対して優性で、1遺伝子(Co)によって決定されることが分かっている。」と研究の背景を報じている。省力・軽労化を図れる新しいリンゴ品種の開発は遺伝子工学の手法で行われているようだ。

果樹も、樹高が自分の背の高さの範囲に収まれば、作業性や生産性が向上するのではと期待するが、自分が生きている間に実現するか微妙な所だろう。従来は果樹は棚仕立て等で生産する方式が主流だが、小さな多数の果樹を棒状仕立てにして生産できればと夢は広がる。集積回路はまさに、数で問題を解決する方法で大成功した。小さな一本の果樹で、果実が10個収穫できれば、それを百本植えれば千個収穫できるという具合だ。

「青い森の片隅から」というホームページに、「ラムナータイプのリンゴ;url=http://homepage3.nifty.com/malus~pumila/appls/columnar/columnar.htm()」というタイトルで、「カナダのウイジック氏のリンゴ園で、1963年に、McIntosh red(日本名 旭) の枝変りとして発見されたリンゴは、側枝や節間の長さが普通の栽培品種に比べて極めて短く、枝が横に成長することがないので、極細円筒形(棒状)の樹形に成長する特性をもっていました。」という記事がある。この枝変わりの品種を元に新品種の開発がされて、「特に、イギリスの研究所がこの品種を親にして精力的に品種改良に取り組み、そこで開発された品種の一部、例えば「タスカン」「テラモン」「トラジャン」「メイポール」が、わが国でも品種登録(1992年 サマースビーツリーフルーツ社・英国)され、苗木が広く市販されています。」と述べられている。
May_pole_mini_ringo

これらの品種はまだ、実用的な従来の生産品種には、能力は及ばないようだ。しかし、ミニリンゴとして趣味的に作るのは面白そうであった。販売元から苗を取り寄せて育ててみた。現在「メイポール」が開花している。実は小さいので、果実の利用法も生食より加工用に使う等工夫が必要のようだ。残念だが、カミキリムシが住み着いているようなので駆除が必要だ。ともかく観賞用としては面白そうだ。バイオテクノロジーが進むと野菜等は工場で作られるようになってしまうかもか知れない。数十年前に、IEEEという電子技術雑誌に、トマト工場だったかが紹介されてショックを受けた。こんなのができたら、農家は失業してしまうというのが実感であった。安いエネルギーが無制限に使えれば、その可能性は大きい。しかし、エネルギーコストは今後も上昇を続けるのは間違いないだろう。原始的だが、露地栽培の果樹の面白さは永久に続くのではないか。