読みかじりの記:新聞社 破綻したビジネスモデル   河内 孝 著 (2007年 株式会社新潮社)

2014年2月16日(日)
昨日も雪後曇り。最高気温(℃) 5.3 21:10。最低気温(℃) -0.5 01:20 。最大瞬間風速(m/s)(風向(16方位)) 18.0(北西) 16:02。換算雨量=103.5mm。ざっそう句:大雪が 五輪の年に 新記録。宅内閑居。BLOGのメンテをした。朝から雪が降り続く。家族が雪かきを始めたが休業した。パイプハウスの駐車場が危ないので車を外に出した。その後ハウスが潰れたが、何とか人も車も助かった。また、ネムノキの太枝が折れた。電線が地面に垂れ部分停電になった。我が家でも相当な被害が出た。前橋では観測史上最高の積雪54センチを記録したとの事。昼過ぎ通路の雪かき。長靴に雪が入らない程度に雪をかいたがまだ不十分。ともかく歩きやすいようにした。雪はさらさらした粉雪で、吹き溜まりになっている部分があった。この大雪で母の短歌を思い出した。「雪積もる 重さに耐へず 竹割るる 音の響けり 爆竹の如」。まだ、竹の様子はみていない。粉雪で葉に付着しにくかったかもしれない。

2014年2月15日の天気(AMEDAS)

TAVE= 2.4 NO DATA
TMAX= 5 最高気温(℃) 5.3 21:10
TMIN= -0.5 最低気温(℃) -0.5 01:20
DIFF= 5.5
WMAX= 8.9 最大瞬間風速(m/s)(風向(16方位)) 18.0(北西) 16:02
SUNS= 0 NO DATA
RAIN= 103.5 NO DATA

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読みかじりの記:新聞社 破綻したビジネスモデル   河内 孝 著 (2007年 株式会社新潮社)

本書を手にしたのは最近の新聞がどうもおかしいのではないのかと感じるようになったからである。著者が本書で意図するビジネスモデルが良く理解できない。新聞の購読契約数至上主義がその一例のように見えたがはたしてそれだけが本書の言うビジネスモデルなのか。

WIKIPEDIA「朝日新聞社。(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%9E%E7%A4%BE)」非上場の株式会社。 朝日新聞社ホームページの会社概要によると、「会社名 =株式会社 朝日新聞社 ;社主 =村山 美知子 、上野 尚一;資本金=6億5,000万円 。  

WIKIPEDIA「読売新聞社。(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%AD%E5%A3%B2%E6%96%B0%E8%81%9E%E7%A4%BE)」:株式会社読売新聞東京本社。WIKIPEDIA記事によると、「2002年7月1日付で読売新聞グループの再編が行われてからは、従来の読売新聞社改め持株会社である読売新聞グループ本社傘下となった以下の新聞現業3社の総称として用いられる。」との事。

読売新聞社ホームページによると、「組織体制(読売新聞基幹6社)」とあり、そのトップが「(株)読売新聞グループ本社」であり、「設立=2002年7月1日 ;資本金=6億1320万円 」である。

WIKIPEDIA「毎日新聞社。(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%8E%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%9E%E7%A4%BE#.E6.B2.BF.E9.9D.A9)」。それによると、「株式会社毎日新聞社(まいにちしんぶんしゃ、英称:The Mainichi Newspapers Co.,Ltd.)は、日本の大手新聞社の一つである。現在は、持株会社毎日新聞グループホールディングスの子会社となっている。」との事だ。

毎日新聞社のホームページ(http://www.mainichi.co.jp/corporate/co-about.html)によると、「会社名=株式会社 毎日新聞社;資本金=41億5000万円  」

「読みかじりの記:迷いと決断 ソニーと格闘した10年の記録 出井伸之 著 (2006年 株式会社新潮社)(http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2013/12/102006-346c.html)。(2013年12月25日(水) )」

本書では、新聞の拡張に関しても述べている。現役時代、大阪に単身赴任したが、社宅に落ち着こうとした時、不審者と間違えたのが新聞の拡張員だった。社宅玄関には、暗証番号付きの自動ドアがあったが、彼らには効果がなかったようだ。どの社か聞くと球団を持っている方だった。かつて、幼少時代、あの球団のイニシアルを帽子に縫い付けて夢見心地だったが、お陰でプロ野球嫌いにさせてもらった。

本書を読んで、新聞社間の拡張戦争で印刷されただけで読まれずに葬られる膨大な量の新聞があることに気付かされた。これは本書の功績ではないか。新聞こそまさに情報というナマ物を扱う商品で、旧聞の山は、まさに産業廃棄物の山ように感じる。新聞は、豊作と過剰で廃棄されるキャベツ等に関しては報道してきたが、この押し込み紙を報じたのを読んだ事が無い。そもそも、力の弱い新聞販売店に、店が注文する以上の新聞を押し込むのは、独禁法の優越する地位の乱用に限りなく近い悪徳行為なのではないか。

本書は著者が会社役員を隠退した事を契機に業界の正常化と更なる発展を願って、書かれているようだ。その点、前記「迷いと決断~」の著者と異なるスタンスで書かれていると思う。それが出来たのも、潔く以前の職場から縁を切ったからではないか。なにかしら利害関係があると、言いたい事も言えなくなる。著者が気にしているのが、朝日と読売の二強体制。著者は毎日新聞社の役員だったので、多分自社の状況は知り尽くしているのだろう。

我が家も中央紙を購読していたが、ある縁で、一時毎日新聞を購読した事がある。記事の切れ目が新聞の折り目に重なるような編集をしていたのを評価した事もある。しかし、購読紙を頻繁に変える事はなかった。現在は地方紙だけ。地方紙も止めてWEBだけにしようかと考える事もある。著者が指摘するまでもなく、インターネットが新聞のあり方を大きく変えている。テレビも同様だ。新聞各社もインターネット版を有料紙に変えようとしているようだ。検索でヒットする記事も、ログインしないと見られないのがある。結局、新聞もテレビも広告というおいしいところはインターネットにさらわれて行くのではないか。

本書の後半に、中日と毎日と産経を統合して新聞界の第三極をつくるというアイデアが披露されている。これを読んで、政界の編成を思い出して苦笑してしまった。このままでは毎日も危ないという、母国思いの情が本書執筆の背後にあったのか。日本は小国で、何事も巨大な物を作る事がそもそも不必要な国ではないか。著者が本気でそう思ったのか定かではないが、巨大になれば小回りが利かなくなる。見えない所に金がかかる。情報の流れや判断も遅れる。責任も不明確になる。巨大化で良い所は一つも無いのが実相ではないか。

新聞が再販制度に守られているのは妥当適正か。著者は消費税8%になった場合の負担額を試算している。既に、消費税8%への増税は目前に迫ってきた。新聞に軽減税率を適用すべしという運動が起こる気配もある。それは10%になった時かも知れないが、政権の太鼓持ち役というだけの論功行賞で軽減税率が適用されるようでは、ますます日本は混迷を深めるだろう。

本書では新聞と放送の関係も論じている。新聞と放送というメディアも系列化して巨大に相互依存関係を強めている。そこへインターネットやITを駆使した第三勢力が成長して実力を付けて来たのが現代だろう。著者は最終章でIT時代の新聞像を描いている。やはり、デカイだけでは、今後の情報化時代は生き抜けないのだろう。業界が斜陽になれば真剣に考えるだろう。著者も本書の末尾で、小粒ながらサンショウのように存在感があるメディアの原点としてあった瓦版について述べている。新しい時代が迫っているのは感じるがその全体が見えない。見えた時には既に時遅しなのではないか。メディアの原点はコンテンツの質であり、その質を支えるのは人材である。新しい有能な人材も旧来メディアに近づかなくなると必然的に旧来メディアは没落してゆくのではないか。

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