2016年4月11日(月)
昨日は曇り。ざっそう句;夜桜や しじまの奥に 稚児の声。超老人モードで配り物。バケツで水運び・苗に灌水。老人モードで用事外出。途中、運動を兼ねて自転車を押して歩く。帰りは暗くなった。夕方、来客。サトイモ種芋を呉れるとの事だが、それを食卓に載せる元気がない。
*************************
ハトよ 鳴いておくれ:嗚呼...銘仙織り出す伊勢崎市(伊勢崎明治館を見学!)
先日、地域の歴史同好者の会で、市内のまち歩きをした。案内は、ボランティアガイドの会会長さんがしてくれた。伊勢崎明治館は、運営者直々に案内してくれる事になっていたようだ。伊勢崎明治館という建物自体の話と現在注目を集めている、伊勢崎銘仙の説明があった。
絹産業は、養蚕(一次産業)、絹生産(二次産業)、絹流通(三次産業)という、総合産業だった。それが、この一世紀の間に、大いに栄えて、現在壊滅的なほど減衰しており、産業の栄枯盛衰を色々考える材料を与えているのも事実だろう。
我が家も、農家として、養蚕をして、繭を作るまでの仕事は、ある程度体験した。しかし、蚕を飼育して、繭まで育てる、ノウハウは全く知る事がなかった。要するに、お手伝いのレベルで、時代は変わってしまった。思うに、世界商品となった、絹糸、綿、自動車、カラーテレビ、半導体、鉄鋼云々と、世界産業の変遷と無関係ではおられなっかた。
自分も、現役時代、カラーテレビ、半導体という国際商品の設計・生産に関与したが、その流れは変えることなど不可能だった。そうして、家電なら日本という、神話も、シャープが外資の軍門に降って、最早、自信喪失寸前になっているように思う。
伊勢崎明治館には、空襲で焼失する寸前に撮影された、織物会館の写真が展示されていた。まさに、銘仙織り出す伊勢崎市の輝きの一瞬を今に伝えているように感じた。伊勢崎明治館には、多くの銘仙織物が展示されている。いろいろ、説明があったが、色の染め方も多様だった。その中で、絣は、縦糸、横糸を染色して織るので、布の裏表に図柄が出るという説明だけは覚えている。昔の染料は、藍等の自然物を使っていた。大量生産になってからは、合成染料が使われたとか。
脱線だが、時報鐘楼建設資金を拠出した伊勢崎生まれの実業家が、横浜に出て薬種商・薄荷商として成功した小林桂助という人だとか。大正4年(1915年)に建設され、今年でほぼ建設100年になるとか。推測だが、小林桂助が扱った商品に、絹糸・絹布染色用の染料があったのではないか。
ともかく、繊維を織り、色や柄を付けて付加価値を高める技術は、人材育成、学校教育に繋がってゆく。旧友は、大学で繊維工学を学んで、織物関係の会社に就職したが、就職後は会社の支援で、健康推進の事業に転身した。結果としては、それが正解だったようだ。やはり、産業が元気な時に、その次世代の稼ぎ頭を探さなければ、持続的成長は不可能なのかもしれない。
伊勢崎明治館の中に、古びた機械が鎮座していた。そこで、旧知の人が機械をいじっていた。久しぶりと軽くあいさつ。この機械が、あの「いせさき併用絣を紡ぐプロジェクト」と関係しているのかと思った。話によると、機械の回転数も、記憶する人によりマチマチ。回転すると、結構大きな音を出すとの事で、そのタイミングを見計らっていたようだ。
改めて、その機械の写真を見た。この機械は、横糸を巻き取る機械との事。織るのは、手動の機織り機。この機織りの精度で、織物の品質が決まってしまうので、ここは人力作業の領域のようだ。横糸を巻き取るという単純な仕事から、機械化が進んだのではないか。実は、終戦直後の、農事組合の記録を最近読んでみたのだが、組合で最初に買ったのがモーターだったようだ。そのモーターをベルトで脱穀機をつなぐと脱穀作業の力仕事から解放されるのだ。
展示されていた、併用絣の図柄を見ると、その色合いと精密さに驚嘆する。この柄を出すには、色々な技術が必要だ。実は、自分の同僚も、半導体製造で、そのパターン合わせに従事していた。半導体の微細化は、そのマスク合わせの精度で決まってしまう。多分、半導体の初期でも、ミクロンの精度だったろう。その後、最先端では、ナノメートル以下のの世界に入っているだろう。併用絣の図柄を見て、半導体の事を思う人も少ないだろうが、若い人は、何からでも触発を受けて貰いたいと思う。
絹産業は、ある程度想像で全体像が描けるのだが、今日の最先端技術の現場では、見える者は何も無いのである。逆に、絹産業という産業モデルは、成功したモデルでもあるだろう。そうして、何が弱かったのか、何を伸ばせば、将来につながるのかを考えるモデルにもなるのではないか。やはり、日本人の弱い部分は、一次産業(バイオサイエンス)、三次産業(デザイン)等か。この分野は、人まねでは対抗できない領域だ。
*************************
2016年04月10日 伊勢崎(イセサキ) | ||
TAVE= | 16.4 | 毎正時のアメダス観測値(気温)の平均値 |
TMAX= | 22.9 | 毎正時のアメダス観測値(気温)の最大値 |
TMIN= | 11.1 | 毎正時のアメダス観測値(気温)の最小値 |
DIFF= | 11.8 | 毎正時のアメダス観測値(気温)の最大値と最小値の差 |
WMAX= | 4 | 毎正時のアメダス観測値(風速)の最大値 |
SUNS= | 0.9 | 毎正時のアメダス観測値(日射)の合計値 |
RAIN= | 0 | 毎正時のアメダス観測値(雨量)の合計値 |
1日の極値 | データ | 時刻 |
最低気温(℃) | 10.4 | 5:36 |
最高気温(℃) | 23.4 | 14:56 |
出典=気象庁 | 参照⇒ | AMEDASへのリンク |
最大瞬間風速(m/s)(風向(16方位)) | 7.8(南東) | 20:41 |
*************************
ページ先頭へ飛ぶ