2008/10/3
マニュアル
手順書とでもいうのであろうか。
運転免許の更新をすると運転の教則本をくれる。
これも一種のマニュアルであろう。
大抵読まないでどこかに埋もれて行く。
しかし、読んで見ると普段気にしていない基本的な事も書いてあると気付く。
マニュアル人間などとけなすことがあるが、とんでもないと思う。
正しい手順には基本的な合理性がある。
基本的な理屈が分かれば、その上に応用がきくのである。
かって、開発業務マニュアルというものを作成したことがある。
企業の開発業務は息の長い仕事である。
市場調査から始まり、可能性の検討、企画、設計、試作、評価、信頼性試験、
生産、合理化コストダウン、クレーム処理と一連の仕事が続き、開発が成功すれば
次の開発が始まる。決して同じ事を繰り返す訳にはいかない。
機能や性能を高め、コストを下げ、更に品質を向上させ、開発期間の短縮も要求される。
連続した螺旋スパイラルのように一周毎に前進と進歩が要求される。
これが新しく開発されるアイテム毎に繰り返されるのである。
どこかに手抜きや不具合があれば双六と同じで何歩か後戻りしないと修正できない。
企業の開発競争は駅伝競技に例えられる。
開発工程の一つの不具合はレースのスタートラインに戻るというペナルティでもある。
これが何度も続けば駅伝チームは最早レースから脱落せざるを得なくなる。
大抵の企業は分業体制(チームワーク)をとっているから、その部門毎にマニュアルがある。
従って、その企業の体力は総合的なマニュアル体系が合理的であり、
迅速的確に運用されることによって維持発展できると言って良いだろう。
そうして、最強のマニュアルとは自分が作って自分が実行するマニュアルである。
宮本武蔵 五輪書もその類であろう。