巨人の肩に乗った小人

2008/12/9

巨人の肩に乗った小人

米国の超優良企業にマイクロソフトがある。この会社がなぜ超一流の会社になったのかはコ

ンピューターの歴史を辿ることによりはっきりすることであろう。社名のなかにあるマイクロと

は極微の意味を持つ。長さで言えば我々が日常扱う長さはせいぜいミリメートル程度であ

る。1マイクロメートルとは1ミクロロンの事で1ミリメートルの千分の一であり、もはや肉眼で

は識別できない大きさである。マイクロソフトが出来る前に、コンピュータの世界ではIBMとい

う巨人がいた。この巨人の前にはマイクロソフトは本当に取るに足りない小さなベンチャー企

業であった。我々がパソコンでDOSを使い始める前にはCP/MとかMSXとかのOSが使われ

ていた。ところが、いつしかこのマイクロソフトが巨人に変身していた。

学生時代、ニュートンが言ったという巨人のたとえ話を聞いたことを覚えている。ニュートンが

科学の大家と認められてから自分の業績を控えめに述べたことばのようだ。それが、「巨人

の肩に乗った小人」の例えであった。

“If I have seen a little further it is by standing on the shoulders of giants”

ニュートンがフックへ宛てた手紙の一節であったようだ (1676)。

「もし、私がちょっと遠くを見渡せたとすれば、それは巨人の肩にのっていたことによるの

だ。」

ニュートンは自分の足がどこに立っているかを示したわけである。言い換えれば決して一人

では為しえない大きな知識や科学上の基盤があってこその業績でり、その基盤の重要性を

語っている。我々は、足元の基盤が先人達が大変な苦労をして築きあげたことを忘れがちで

ある。しかし、その巨人の肩に乗り、背伸びをしても遠くを見ようとするのはやはり天才のワ

ザなのだろうか。マイクロソフトの ビル・ゲイツは高校生の時に、学校のミニコンピュータの

PDP-10 のタイムシェアリングサービスでコンピュータに初めて触れたのだそうだ。一体 ビ

ル・ゲイツに対してこのコンピュータはどんな役割を果たしたのだろうか。また、ビル・ゲイツ

はマイクロソフトを引退して自分の作った財団の運営にあたるという。巨人もしっかりした足

元がないと立てない。

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