2008/12/17
餅つきはどうするの
年の暮れの餅つきは年中行事ではあるが、これを毎年続けることは大変である。昔は餅は
保存食でもあったので餅をつく量も多かった。餅つきは大勢でやれば力仕事も分散されて楽
であり、その場面に応じて役割を分担できる。要するに共同作業の原点のような要素を含ん
でいる。人が集まればコミュニュケーションも生まれる。幼児も、ちょっとだけ餅をつかせても
らったりする。それが今風にいえばOJTで実物教育になっており、幼児が子供となり、成人と
なると餅つきの中心戦力になる。親たちは主役を降りる。伝統行事には役割を交代しながら
仕事を引き継いでゆくという機能もある。餅を単なる食料ととらえるなら店で買ええばよい。し
かし、年中行事の餅つきとなると別の意味がある。餅をつき終わり、大晦日を迎えることによ
り、一年間の締めくくりをして、ついた餅で元旦の雑煮をいただく。生きている事のありがたさ
をじっくり味わう一時でもある。両親を失い、もう餅つきも止めてもよいかなと内心思ったりす
る。しかし、先祖達が今まで続けてきた伝統を自分の代で止めるのはなんとなく申し訳ない。
一度止めたことを復活させるのは大変な努力が要る。「今年は餅つきはどうするの」と聞か
れて「やるよ」と答えた。