2009/1/23
海外出張中止
ポーランドとの仕事は専門の担当部署があり、その部署の技術者がポーランドに派遣され
た。輸出した機器で生産を立ち上げるまでをサポートする一種のエンジニアリング事業であ
った。試作した製品を評価するジグがうまく動かないというテレックスが入った。思いつく対策
案をそのジグの作成をした自分がまたテレックスで回答する。原稿を下書きしてテレックス担
当部署に渡すと係りが送信してくれた。電話線にタイプライターを接続したようなテレックスが
当時の最先端の通信機器であった。そのテレックス回線を使い何回やりとししてもうまくゆか
ない。そこで、とうとう作成者が行けという事態になってしまった。県庁へ行き初めてのパスポ
ートを取得した。ところが、当時は直行便が無かった。アラスカ回りで何カ国かの空港で乗り
継ぎしてようやくワルシャワに着くと説明を受けたが、海外に出た経験が一度もないので途方
にくれた。一人でポーランドまで行かねばならない。言葉は大丈夫だろうか。泥縄で外国語会
話でも練習しようかと悩んだ。そんなとき、うまく行ったから出張は不要になったと連絡が入っ
た。ほっとした。ともかく、任務が終了して帰国した技術者のみやげ話はポーランドの娘さん
は美人だったぞというものであった。本国で振り回された位のトラブルは物の数ではなく、そ
れ以外に色々な苦労があったのかもしれない。