2009/1/4
家庭教師の体験
学生になると、講義の選択等により少し時間的な余裕ができた。友達の紹介、地縁等でアル
バイトの家庭教師を行った。自分は学習塾にも通えず、家庭教師を付けて貰うことなどは全く
の夢であった。家庭教師という仕事が自分の境遇から見るとなんとなくしっくりしなかったが、
これも一つの縁と思い引き受けた。受験前の数人の生徒に教えたのは学習塾に近かったよ
うだ。学習塾に行っていなかった生徒も受験直前は対策が必要だ。そういう家庭から頼まれ
た。もう誰を教えたか等細かい事は覚えていない。教え子の親からその節はお世話になりま
したと言われて頭を掻いたこともある。ともかく人間にとって学ぶ事は一生の仕事である。
ある人の前には色々な人が通り過ぎて行くであろう。教育という場は丁度、ある人の人生
と他の人の人生が交わる交差点のようなものであるかもしれない。教育の場では必然的に
質問と回答が飛び交う。単なる暗記と受験技術では収まらない。教育とは何か。結論は唯一
ではなさそうだ。まともな判断力が身につけば良いとも思われる。そう思うと家庭教師の体
験も見えないところで自分の役に立っていると感じる。それにしても、松下村塾の事等を思う
と学ぶことの本当の意味がわかるような気がする。学ぶことも、教えることも外から押しつけ
れるものではない。そのような、自分が自分の意志で学ぶ、教えるという確固たる自覚があ
れば自ずから成果が出てくるのではないか。