2009/2/22
初期のステレオ放送
かってはステレオレコードの鑑賞が趣味である人が多かった。金も結構かかった。手軽にス
テレオを楽しむためか、1950年代から1960年代にかけてNHK第一と第二の電波を使ってス
テレオ放送が行われていた。ラジオ受信機が2台必要になる。一度聞いてみようと試してみ
たようなかすかな記憶がある。その後AM電波を多重化するAMステレオが話題になった事
があった。結局、現在まで十分普及・定着しないままであるようだ。電波を多重化して送れる
情報を増やしてもそれに対して支払うコストが高すぎるのが主因であろう。音が来る方向を特
定することは野生の動物にとっては死活問題である。捕食者が来る方向から必死に遠ざか
らなければ食べられてしまう。もはや、人間が聞き耳を立てるというような言葉は死語になっ
てしまったのであろうか。ステレオ音声も立体画像も臨場感を味わう為には不可欠な技術で
あるが、コストの壁をうち破るのは大変だ。むしろ、実際の目の前の世界で自分の感覚を意
識して鍛え直す方が先なのかもしれない。