2009/4/24
能研テスト
経済の高度成長期に金の卵と言えば中学卒業生の事であった。高校進学率が向上して相
対的に中卒で就職する人数が逼迫したためであったのか。労働力は質が高く安いに越した
ことはない。その後、高等教育は義務教育並に普及して、今日では大学教育がその水準に
達している。思えば、日本は経済大国で胸を張るより教育大国を誇るべきかもしれない。残
念だが多大なコストをかけて育成した人材を生かし切っていないのが現状なのかもしれな
い。自分が進路を真剣に考えた時が丁度能研テストの実施時期と重なっていた。記憶は定
かではないが、巨大な人材選別マシーンに飲み込まれる不安を抱きつつもテストを受けたの
ではなかったかと思う。しかし、この能研テストはほどなく消滅したようだ。鵜飼いのように役
に立たない古い知識を詰め込み、その知識を吐き出させて仕事をさせるようなシステムは最
早寿命百年という時代には通用しなくなるだろう。高校を卒業したら、数年間の社会体験をさ
せてそれを大学受験の必須資格として、更に就職後は十年間に一度一年位大学の義務教
育を施すと学問の有り難さが身にしみて分かるようになるだろうし、最新の知見も得られて人
間自身をリフレシュできる。そうなれば頭脳も社会も活性化するのではないか。当然ワークシ
ェアにもなる。中後期大学義務教育という事になる。突飛な事を考えたが、未だ試験の悪夢
にうなされる身にとっては、どうも強制的にさせられる勉強は結局何の役にも立たず、弊害を
もたらすだけのようだ。