2009/4/5
対人コンプレックス
音程をぴったり聞き分ける絶対音感の持ち主がいるようだ。そういう音感を持つとさぞかしこ
の世の音楽もうっとうしくなるのであろうか。その対極が音痴という事になくかもしれない。歌
を歌えば必ず音程が狂う。それで人前で歌うのがいやになる。そのわり、どんな下手な歌を
聞いても許せる気分になる。親が自分は音痴だと言っていたので自分も音痴だと信じてい
る。確かに、父はほとんど歌を歌わなかった。母は大正琴を弾いたり、古い歌謡曲や詩吟の
一節を唸っていた事があった。晩年に小さな電子ピアノを渡すともしもしかめさんの童謡を弾
いた。少しは音程が分かっていたのであろう。その母も我が家はへんま調だからと言ってい
た。どうも音痴の要因に対人コンプレックスもあるようだ。幼いときに内弁慶だ、内気、無口
だと言われた。親や先生から知らず知らずに決めつけられている事があるのではないか。そ
ういうことに対する反抗もあったろう。自分もそれを気にした事はあるが、世間がかってに言
っていることはどうでも良い、自分は自分だという意識も目覚めてきていたのではないだろう
か。従って、対人コンプレックスをあえてあおる必要もない。人前に出るのに襟を正そうとす
るのは当たり前の事であろう。いまから思うと大した判断力が無いのに家と外と同じに振る舞
うのは自制力が無いようにも見える。ともかく、社会に出て色々な場面に出会わせるとTOP
に応じた行動が身についてくる。昔のガキ大将が普通の人間になるのと変わらないのであろ
う。性格と行動様式は別物であるような思いを抱くのである。