2009/6/14
わんこそば
半導体製品は機器の部品であるのでその売り先はセットメーカーが中心である。そして、セッ
トメーカーは主に利便性の良い都市部に立地している。自分が半導体商社への販売サポー
トで訪問したセットメーカーも関東、京阪、名古屋等の地域がほとんどであった。あるとき、東
北地方への拡販にお声掛けがあった。顧客訪問が終わってから、東北に来たからにはわん
こそばに挑戦しないと帰れないぞとそそのかされた。何杯食べたか既に記憶に無いがなつか
しい思い出ではある。日米の貿易摩擦は、その時々で、繊維、カラーテレビ、自動車、半導
体と移っていった。半導体摩擦解消を期待して生まれたのが東北セミコンダクターであった。
1987年5月12日の設立。東北地方の産業振興も期待されての設立であったと思う。同社の
ホームページを見ると主要製品はロジックLSI製品(MCU)、MEMSセンサーであるとあった
。日本の半導体の会社の多くは親会社の胎内で生まれてその家族の一員として育ってき
た。米国でも同じ経過を生まれてきたが半導体会社があるが、一方ではベンチャー企業とし
て生まれた会社も多い。米国ではM&Aや分社化等で親会社も子会社もダイナミックな変化
に曝されている。さて、その東北セミコンダクターは現在どんな状況なのかと調べてみたら工
場閉鎖の危機に直面しているようだ。生産の合理化という点で会社の整理統合は不可欠に
は違いない。同社が主要製品としているMEMSセンサーは新しい分野の製品でまだ陳腐化
した分野ではないようだ。東北地方に根付いて22年、人間では成人してこれからの活動が
期待される年齢ではある。世界経済が不調にあえいでいる時ではあるがなんとか生き残って
欲しいと願う。