半導体農業論

2009/6/6

半導体農業論

今日の半導体はタバコの煙等を寄せ付けないどころか、人間の直接作業さえ寄せ付けない

超クリーンな環境が必要とされている。マイクロメータの世界からナノメータの世界に入りつ

つある。しかし、初期の半導体製造は全て人手を介して行われていた。製造する環境も十分

に管理されていなかった。従って、良品がとれる歩留まりは常に大きく変動した。それも、ゼ

ロ%から数十%が常態に近く、90~100%等は夢のまた夢であった。極端な場合はその日の

天気により歩留まりが変化する事を受けて、農業と同じ状況であるとして、半導体農業論が

ささやかれた。今日の歩留まりの水準は定かではないが、99%は十分に確保されていると

推定している。しかし、完全な100%は到らないであろう。常にぎりぎりまでの微細化が要求さ

れており、微細化が進めば、それだけ小さな欠陥が問題となってくる。ともかく、半導体農業

論は完全に過去の話になり、忘れ去られようとしている。しかし、1%の歩留まりを上げるた

めになされた膨大な努力があったことは記憶に留めておきたい。集積回路の開発技術者とし

ても、当然に歩留まりの向上に配慮して設計したことは言うまでもない。農業に片足を突っ込

んで、種子の蒔き方で発芽時期がばらつく事などを学んだ。これも、収穫時期をある期間に

納められる割合を歩留まりと考えるならば半導体と同じ様な考え方が適用できそうだ。